2002 Fiscal Year Annual Research Report
コア拡大ファイバを用いたファイバ・ファブリ・ペロ共振器型光デバイスの研究
Project/Area Number |
14750033
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
藤川 知栄美 東京工芸大学, 工学部, 助手 (70319375)
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Keywords | ファイバ・ファブリ・ペロ共振器 / コア拡大ファイバ / フィルタ / 波長多重 |
Research Abstract |
ファイバ・ファブリ・ペロ光共振器は,波長多重通信におけるフィルタなどへの適用性から重要な技術の一つである.しかしながら,従来のそれはいったん作製すると大きく共振器長を変えることができない.本研究では,コア拡大ファイバを用いて,構造が簡単であり,可変波長領域の広いファイバ・ファブリ・ペロ光共振器を提案し,作製・評価を行なった. 従来のファイバ・ファブリ・ペロ光共振器では,ファイバから出た光ビームが回折により広がり効率が落ちることを防ぐため,二つの多層膜ミラーで構成される共振器内に光ファイバを設けている.このため,共振器長を大きく変えるためには,共振器内を異なるファイバ長にする必要があった.本研究で我々が提案したファイバ・ファブリ・ペロ光共振器では,コア拡大ファイバを利用することにより,光ビームの回折を抑えることができ,多層膜ミラー間すなわち共振器内にファイバを用いることなく共振器長を大きくすることができ,可変波長領域を広くすることができる. ファイバ・ファブリ・ペロ共振器は、フェルール内にコア拡大ファイバを接着固定し,端面を研磨した後,誘電体多層膜ミラーを付けることにより作製した.軸合せを容易にするため,割スリーブを用い対向するフェルールを整列した.これにより,構造の非常に簡単なファイバ・ファブリ・ペロ共振器の作製が可能になった. 共振器長375μmの場合の作製した光共振器の透過強度の波長依存性を測定した結果,コア径ω=30μmの場合は,消光比18.4dB,損失13.7dB, Finess 16.84であった.コア径ω=10μmの場合は,消光比8.9dB,損失28.2dB, Finess 7.35であった.ω=10μmの場合に比べ,損失は15dB小さく,消光比は10dB向上していることを確認した. 以上,コア拡大ファイバを用いて,簡単な構造で可変波長領域の広いファイバ・ファブリ・ペロ光共振器を作製することができたといえる.
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