2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機フォトリフラクティブ材料のための新規提案素子構造の設計・作製
Project/Area Number |
14750037
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
佐々 高史 理化学研究所, 超分子科学研究室, 研究員 (20312259)
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Keywords | ポリマー / フォトリフラクティブ効果 / 2光波結合 / プリズム |
Research Abstract |
上記テーマの遂行に際し、本年度は (1)新規構造の設計と作製 (2)フォトリフラクテイブ(PR)性能の評価による新規構造の有効性の提示 の2項目のサブテーマに基づいて研究を実施した。 テーマ(1)については、要となるパラメータ(頂角および屈折率)の他、扱いやすさ、拡張性を考慮した設計・作製が行われた。1.0〜1.5μmの書き込み光周期について、素子全体として80%以上の透過率を20mm程度のサイズのプリズムで実現可能な事が計算により明らかにされた。作製された結合プリズムを用いて次に述べるPR実験が行われた。 テーマ(2)については、これまでに優れたPR性能が報告されているポリビニルカルバゾール(PVK)をベースとする分散系低ガラス転移温度材料システム(光2次非線形色素+増感色素+可塑剤+PVK)を使用した実験が行われた。新規素子構造に合わせて測定システムが新たに構築された。素子のコンパクトさを活かし、従来と比して部品数の少ない安定性に優れた系が開発された。材料の基礎的PR効果の評価の後、準備的に行われた実験から、新規素子構造によつて25V/μmという低い印加電界によって従来構造と比較して3倍ほど大きな2光波結合ゲイン(約30cm^<-1>)が得られることが明らかにされた。効果増大に対しては、ドリフト電界、実効的電気光学係数、相互作用長の増大による相乗的効果が考えられるが、今後、それぞれのパラメータの増加程度について明らかにし、素子構造の最適化を進めていく必要がある。
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