2002 Fiscal Year Annual Research Report
接触界面の超音波透過・導波特性に関する異方性・非線形性の定量評価
Project/Area Number |
14750057
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
琵琶 志朗 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (90273466)
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Keywords | 超音波 / 接触 / 透過・反射 / 接触圧力 / スペクトル解析 / 高調波 / 微視力学 / 非線形超音波 |
Research Abstract |
○接触面に垂直入射する超音波の透過特性 固体同士の接触面に対して,スパイク型超音波パルサーを用いて超音波パルスを垂直入射し,透過波,反射波のスペクトル解析を実施し,縦波,横波の反射係数の接触圧依存性を調べた.これにより,特にメタクリル樹脂(PMMA)同士の接触面では接触圧力を1MPa程度まで加えると反射係数は顕著に減少することが確かめられた.この結果から,接触面剛性(垂直方向ならびに接線方向)の接触圧力依存型非線形性を定量評価することができた.現在,本年度終盤に導入したゲーテッドアンプリファイアを用いて,バースト波の入射による非線形超音波特性を調べるための測定系を構築準備中である. ○接触面の非線形剛性モデルの構築と弾性波伝ぱ特性の理論解析 接触面剛性の接触圧依存性から,接触面の圧力-変位特性が同定できることを見出すとともに,同定した非線形接触面に対する一次元弾性波透過・反射解析を行った.この結果から,反射率,透過率および高調波振幅に及ぼす弾性波の周波数,振幅,固体音響特性ならびに接触圧力の影響を理論的に明らかにすることができた.特に,接触面剛性と接触圧がべき乗側で関係づけられる場合には,高調波振幅と基本波二乗振幅の比は圧力に逆比例することを示し,これが既存の実験結果と良く対応することを確認した.また,非線形接触面剛性について表面突起群の微視力学的変形の観点から検討した.ここで得られた知見は非線形接触条件に基づく超音波伝ぱシミュレーションを行う上で重要な情報を提供すると考えられる.
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