2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ溶射遮熱コーティング材の高温疲労強度の解明
Project/Area Number |
14750062
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
脇 裕之 大阪電気通信大学, 工学部, 講師 (30324825)
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Keywords | 高温疲労強度 / 遮熱コーティング / プラズマ溶射 / TBC / はく離強度 / 機械的特性 / 寿命評価 / 破壊機構 |
Research Abstract |
1.ガスタービン翼の遮熱コーティングとして用いられているZrO_2-8Y_2O_3セラミック溶射皮膜の機械的特性を評価した.まず,軟鋼とステンレス鋼により作製したハイブリッド基材を硝酸により部分溶融させ,膜厚300μmの皮膜単独試験片を作製した.気孔率の異なる3種類のZrO_2-8Y_2O_3皮膜を作製し応力-ひずみ応答を評価した. (1)引張強度は30MPa程度であり,非常に脆弱であった. (2)圧縮強度は150MPa以上であり高強度であった.しかし圧縮負荷によりひずみ硬化し,永久ひずみが生じることが分かった.即ち,ゼロひずみに戻った際には引張応力が発生するため,圧縮変形のみを被る場合でも引張応力により破壊する可能性があることが分かった. (3)溶射粉末粒径の小さな皮膜では気孔率が小さかったが,発生するひずみ幅はあまり気孔率に依存しなかった. (4)ヤング率も気孔率にはあまり依存せず,その値は焼結材と比較して1桁程度小さい値であった.この様にヤング率が極めて小さいため,脆弱なZrO_2-8Y_2O_3皮膜にき裂が発生した場合であっても,アンダーコート(合金層)へのき裂伝播は懸念されないと考えられる. 2.上記のZrO_2-8Y_2O_3セラミックおよびCoNiCrAlY合金をコーティングしたSUS304ステンレス綱の高温酸化試験を行い,酸化物の析出がはく離の発生に及ぼす影響を検討した. (1)主な酸化物はAl_2O_3であり,合金層とセラミックス層の界面近傍の合金層側に析出した. (2)酸化物層の厚さが10μm程度に成長した場合に,大規模にセラミックス層がはく離し,その発生箇所は酸化物層とセラミックス層の界面であった.
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