2002 Fiscal Year Annual Research Report
高速積分型位相シフト法による実時間応力・ひずみ解析法の開発とその応用
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14750066
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
米山 聡 和歌山大学, システム工学部・光メカトロニクス学科, 助手 (90306499)
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Keywords | 実験応力・ひずみ解析 / 光弾性法 / 位相シフト法 / 画像処理 / 光学的測定法 / 実時間 / 等色線 / 等傾線 |
Research Abstract |
光弾性実験により得られた縞模様の解析方法として位相シフト法が定着しつつあり,これまでに種々の解析アルゴリズムが提案されている.この位相シフト法を高速・実時間で行うため,偏光子および検光子をカメラのフレームレートに同期させて高速に回転させる装置を開発した.また,このときに得られる光強度(縞パターン)から,等色線パラメータ(主応力差)および等傾線パラメータ(主応力方向)の位相を解析するアルゴリズムを考案し,シミュレーションおよび実験によりその有効性を示した.これにより,6/30秒間にCCDカメラにより得られた6枚のしま画像からカメラのフレームレート(30frames/s)毎に主応力差および主方向の位相分布を得ることができるようになった. この方法においても解析可能である現象は少なくとも6/30秒の間に静止していると見なせる場合のみである.そこで,負荷が一定速度で増加する場合についてシミュレーションおよび実験を行い,解析結果の負荷速度依存性や誤差の原因について検討した.その結果,負荷の変動が主応力差の解析結果に与える影響は小さいが,主方向に対しては大きく影響することがわかった.その原因は,主応力差の計算においては主方向の影響は相殺され,誤差は伝ぱんしないが,主応力方向においては,主応力差の位相値が0付近において,計算の際の分母および分子ともに値が0に近いため,光強度に含まれる誤差がたとえ小さくても,デジタル画像として離散化された値を用いた計算には影響が表れるためである. 主応力方向の影響により,主応力差の位相の符号(正負)が逆転する問題についても検討した.この問題に関しては,荷重増加法を用いることにより克服することができる可能性を示した.今後,引続きこの方法について検討を行う.
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[Publications] Yoneyama, S., Morimoto, Y., Matsui, R.: "Photoelastic Fringe Pattern Analysis by Real-time Phase-shifting Method"Optics and Lasers in Engineering. 39-1. 1-13 (2003)