2004 Fiscal Year Annual Research Report
相変態による自己制振および励振効果をもつスマート材料開発のための基礎研究
Project/Area Number |
14750068
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩本 剛 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40274112)
|
Keywords | TRIP鋼 / ひずみ誘起マルテンサイト変態 / 制振および励振効果 / 動的変形および変態挙動 / スマート材料 / 数値シミュレーション / セルラーオートマトン |
Research Abstract |
相変態,変形による熱発生と相まって振動制御現象は複雑化するものと考えられるため,相変態による振動制御のメカニズムの解明,振動制御現象の発生条件等を検討するためには数値シミュレーションによるアプローチが有効である.本研究では,マルテンサイト変態を生じる材料としてTRIP鋼を選び,強制振動下における振動試験を行い,数値シミュレーション結果の妥当性を評価する.さらに,巨視的構成式を用いた数値シミュレーション結果に基づいて,振動制御に最適な微視組織をセル・オートマトン法を用いて求める.これらの結果を総合し,TRIP鋼の自己振動制御機能の発現を目指し,振動制御機能を最適化するよう材料設計への指針を得る. 今年度は申請時に計画した"シミュレーション結果の妥当性の検証と自己振動制御効果の実現化"を行う"実験系"および"セル・オートマトン法による自己振動制御効果を持つ最適組織形態の検討"を行う"微視セル・オートマトンシミュレーション系"を遂行した. 前年度においてシミュレートした結果を踏まえて,実際にスプリットホプキンソン棒試験機を用いて衝撃引張,圧縮試験を行った.この際,実験は外部機関保有の施設の実験装置により行った.同時に,今回申請の体積抵抗率測定装置によりマルテンサイト相体積分率の時刻暦応答,ならびに温度を一定とするため恒温槽を試作し,熱電対により温度も併せて測定した.温度,変形速度等,試験条件を変化させた一連の試験により,TRIP鋼の自己振動制御効果を調査した. 加えて,前年度作成した組織形成シミュレーション用基本プログラムにより初期結晶方位の異なる場合の組織形成シミュレーションを行い,マルテンサイト相の微視組織は母相の初期結晶方位にかなり依存することを明らかにした.また,Voronoi多角形分割により多結晶を表現する組織形成シミュレーション用基本プログラムを作成した.
|
Research Products
(6 results)