2004 Fiscal Year Annual Research Report
YAG高調波による透明体電極の環境調和型高効率作製法
Project/Area Number |
14750089
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 康寛 岡山大学, 工学部, 助手 (40304331)
|
Keywords | レーザ加工 / 透明体電極 / ITO膜 / ドライプロセス / QスイッチYAGレーザ / YAG高調波 / 吸収率 |
Research Abstract |
YAG高調波レーザを用いた透明体電極作製法について,レーザ光波長が加工特性に与える影響を検討するともに,その可能性を検討して以下のような所見が得られた. 1.Nd : YAGレーザの基本波(λ1064nm),第2高調波(λ532nm),第3高調波(λ355nm)および第4高調波(λ波長266nm)をITO膜に照射したところ,第3および第4高調波レーザでは,光子エネルギーが大きく,基板であるガラスの吸収率も大きいことから,加工部の起伏が激しく良好な加工面を得ることができなかった.また,基本波ではガラスへ熱衝撃と思われるクラックが残存した.一方,第2高調波はガラス基板の透過率が高いことから,基板であるガラス材料へのダメージがほとんどなく,ITO膜のみを除去することが可能であった. そこで,以下では第2高調波レーザを用いて実験を行い,以下のような所見を得た. 2.一定の平均出力で良好な加工溝形状を得るには,ディフォーカス距離とステージ送り速度を精密に制御する必要があった. 3.ITO膜,ガラス基板の順にレーザ光を照射する表面照射法でディフォーカス量が大きい場合,加工溝中央にITO膜の未除去部分が存在するが,ガラス基板,ITO膜と逆の順にレーザ光を照射する裏面照射法を用いることで,その発生を抑制できた. 4.第2高調波を用いた場合,裏面照射法の場合,溝周囲には盛り上がりが発生するが,適切な条件を選択することによりその発生を防ぐことができた. 以上のように,Nd : YAG第2高調波レーザを用いることで,加工溝を介した絶縁状態を確立でき,レーザ加工によるITO膜の電極作製が可能であることがわかった.
|