2002 Fiscal Year Annual Research Report
回転格子を用いた箱型乱流発生装置の開発と微小固体粒子の乱流運動の実験的研究
Project/Area Number |
14750113
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
牛島 達夫 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (50314076)
|
Keywords | 乱流 / 混相流 / 拡散 |
Research Abstract |
本研究の目的は,1)主流速度が零で,これまでより高いレイノルズ数でかつ広範囲で一様な等方性乱流を生成できる実験装置を開発すること(乱流箱の開発),2)この実験装置を用いて,乱流中での微小固体粒子の挙動、特に拡散と平均沈降速度を測定すること(粒子乱流拡散の実験),である.研究1年目は第一の目的の乱流箱の設計と製作を行った.風洞を用いた乱流の基礎的な実験は乱流を発生させるために大きな主流速度が必要なため大規模な施設であった.にも関わらず,高いレイノルズ数が得られないという問題があった.主流速度が零の乱流発生装置は,これまでに振動格子を用いたものが報告されており,乱流の実験の省スペース化に寄与してきた.しかし,高レイノルズ数の実験は依然として困難であった.本研究では4軸の高速回転格子を用いた箱型乱流発生装置を提案・製作した.乱流箱の大きさは.高さ1m,幅75.5cm,奥行き41cmの透明アクリル樹脂の箱の中に,幅85mm高さ93cm羽根を4枚つけた軸を鉛直方向に4組長方形の頂点の位置に設置した.軸はそれぞれ奥行き方向に190mm,横方向に265から365mm離れている.横方向は距離を変更することで,4軸で囲まれた測定部分の乱流強度を変更できる.羽根は格子になっており,格子幅5mm格子間隔25mmである.格子羽根は70から1600rpmまで回転可能である.回転方向は測定部で,横方向から測定部中心に,そして中心部から奥行き方向に平均的な歪が加わるようにした.流れの測定にはレーザー流速計を用いた.シーディング粒子には線香の煙を用いた.乱流強度については200rpmで35cm/sを得た.これは一般の風洞で10から15m/sで得られる値である.また,乱流強度は回転数に比例して,大きくなることがわかった.しかし,平均速度について,完全に零にすることは難しく,まだ,実験装置の調整(軸の設置位置,回転数の制御など)が必要で,現在,調査中である.次年度は新しく開発した乱流発生装置の流れ場を完全に把握次第,粒子拡散の実験に取り掛かる.
|