2002 Fiscal Year Annual Research Report
抵抗減少効果を有する界面活性剤水溶液の円柱周りの流れ特性
Project/Area Number |
14750122
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
小方 聡 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (50315751)
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Keywords | 抵抗減少 / 界面活性剤 / 円柱 / 外部流 / 境界層 / 可視化 |
Research Abstract |
近年,省エネルギーの観点から地域冷暖の温水・冷水の循環系に界面活性剤を添加し,その流動抵抗の減少を試みる研究がなされ,北欧を中心に国内においても実用化の研究が行われている.このことは,界面活性剤水溶液が機械的劣化の影響をほとんど受けないことから循環系に適用でき,環境問題の点からも実用的に優れた性質をもつことによる.本研究の目的は界面活性剤水溶液が円柱周りの流れに及ぼす影響を実験的・解析的に明らかにすることである. 本年度の研究で以下の2つの問題が明らかにされた. (1)ニュートン域での圧力分布,速度分布の測定および流れの可視化を行った.その結果,レイノルズ数が6,000<Re<50,000の範囲において,界面活性剤水溶液中の円柱の抗力係数に対する抵抗減少効果を明らかにした.その最大抵抗減少率は約35%である.抵抗減少効果に関連して,界面活性剤水溶液の円柱周り境界層のはく離点は下流側に大きく移動することが判った.さらに,円柱後流の速度欠損の幅は非常に狭くなり,速度欠損の回復も早くなる. (2)界面活性剤水溶液による上記の抵抗減少効果の初生点を明らかにするため,中間域での抗力の直接測定と流れの可視化を行った.その結果,レイノルズ数が小さい領域(100<Re<1,000)では界面活性剤水溶液中の円柱の抗力係数が増加することが判った.それらはレイノルズ数の増加と伴に減少し,レイノルズ数がRe=1,000で抵抗減少効果が生じ始めることが明らかになった.さらに,抵抗が増加しているレイノルズ数域では死水域が円柱上流側に大きく広がることが判った.このことが抵抗増加の要因と考えられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Satoshi OGATA, Keizo WATANABE, Yoshihisa OSANO: "Drag of a Circular Cylinder in Surfactant Solutions at Intermediate Reynolds Number Range"Proc. of Flows in Manufacturing Processes, JSME/ASME Joint Fluids Engineering Meeting FEDSM 2003. (発表予定). (2003)
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[Publications] 小方 聡, 渡辺敬三, 小佐野芳寿: "界面活性剤水溶液中の円柱の効力特性に関する研究"日本機械学会2002年度年次大会講演論文集. 02-1,VII. 51-52 (2002)
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[Publications] 小佐野芳寿, 小方 聡, 渡辺敬三: "界面活性剤水溶液中の円柱周りの流れ(抵抗減少効果の初生)"日本機械学会2003年度年次大会講演論文集. (発表予定). (2003)