2002 Fiscal Year Annual Research Report
製鋼用上吹転炉のエネルギー有効利用と高効率化のための超音速ノズルシステムの開発
Project/Area Number |
14750124
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
片野田 洋 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (40336946)
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Keywords | 圧縮性流れ / 超音速流れ / 噴流 / ノズル / 製鋼 / 転炉 |
Research Abstract |
転炉は,不純物を多く含む溶融状態の銑鉄中に酸素ガスを超音速で吹き込んでリン,硫黄,過剰炭素などの不純物を取り除く製鋼プロセスの一部を成している.上吹転炉用超音速噴流は鉄鋼メーカーの転炉プロセスで標準的に利用されているが,1000℃を超える特殊な雰囲気中に噴出する超音速噴流であるため実験による再現が難しく,その特性はよく理解されていない.そこで,上吹転炉用超音速噴流の基本特性を明らかにするため,設計マッハ数2.0の超音速ノズルからの超音速噴流の非定常乱流数値シミュレーションを行った.特に,転炉の特性に大きな影響を与える噴流のポテンシャルコア長さに着目した.乱流モデルは圧縮性を考慮したk-εモデルを用いた.基礎式の空間差分は3次精度TVD法,時間積分は3段階ルンゲ・クッタ法を用いた.計算を簡単にするため,作動気体および周囲気体は物性が酸素に近い空気とした.計算条件は貯気圧0.78MPa,貯気温度298K,周囲圧力0.1MPa,周囲温度298Kと1500Kとした.流れ場は軸対称であると仮定し,中心軸上で反射境界条件,自由境界で非反射境界条件とし,ノズル出口では一次元等エントロピー理論から計算される物理量を与えた.簡単のため,気体の比熱比は一定,気体は理想気体とした.また,本計算では気体の化学反応はないものと仮定した.数値シミュレーションの結果,周囲気体温度が1500Kの場合は298Kの場合よりもポテンシャルコア長さが約2倍に伸びた.噴流中の物理量の分布を詳細に調べ,流れ方向の運動量保存則に基づいて考察した結果,周囲気体温度が1500Kの場合は混合層中の気体密度が小さいために運動量も小さくなり,その結果ポテンシャルコア中の運動量が相対的に大きくなるためポテンシャルコア長さが長くなることが分かった.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Katanoda, Y.Miyazato, M.Masuda, K.Matsuo: "Numerical Visualization of Supersonic Jets Discharged into High-Temperature Surrounding Gas"Proceedings of The 10th International Symposium on Flow Visualization. 134-134 (2002)