2002 Fiscal Year Annual Research Report
水の電気分解時の電極間気液二相流の観察と電解効率のモデル化
Project/Area Number |
14750134
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
永井 二郎 福井大学, 工学部, 助教授 (70251981)
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Keywords | 水の電気分解 / 水素システム / 気泡 / ボイド率 / 水電解セルのモデル化 / 気泡直径分布 / 気液二相流 / 気泡上昇速度 |
Research Abstract |
水電解による水素製造効率は、電極間の発生気泡の影響を受けるため、電極間隔には最適条件が存在する。昨年度までに、この水電解セルの第1次近似的な物理モデルを構築し、その検証を目的として局所電流密度を測定し、モデルの妥当性を確かめた。本年度は、モデルのさらなる検証と改良のためのデータ収集を目的として、電極間気液二相流の観察実験を行い、以下の知見を得た。 1.【電極間発生気泡の上昇速度の測定】種々のパラメータ(電解液温度と濃度、電極間隔、電流密度)を変化させてアルカリ水電解実験を行い、デジタルビデオカメラにより電極間気液二相流を撮影した。その映像をパソコン上でコマ送りすることにより気泡上昇平均速度を測定した。その結果、気泡上昇速度は、平均電流密度の増大に伴い線形的に増大すること、および電解液温度と濃度の影響を受けることを見出した。また、電極幅を狭くする(5mm)ことで、電極間隔が最適条件に近い間隔(2mm)における気泡上昇速度の測定に成功し、最適条件のモデル予測値と実験値の比較を可能にした。 2.【発生気泡直径分布の測定】本年度購入したマイクロスコープを用いることにより、電極近傍の気泡直径分布を計測することができた。平均直径が平均電流密度の増大に伴い線形的に増大しており、気泡上昇速度の増大の要因であることを示唆している。また、気泡直径は、本実験条件範囲内においては、約10μmから0.5mmの範囲で分布していることが分かった。 3.【モデルの検証】昨年度までに構築した水電解セルのモデル式に、本年度測定した気泡上昇速度の実験値を代入することにより、モデルの検証を行った。水電解の最適条件と水電解限界条件について、実験値とモデル予測値を比較したところ、実験値はモデル予測値の延長線上にあり、本モデルの有効性が確かめられた。
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Research Products
(1 results)