2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750148
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Research Institution | Toyama National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
義岡 秀晃 富山商船高等専門学校, 商船学科, 講師 (80259845)
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Keywords | 凝固 / マッシュ域 / 結晶成長 / ミクロ組織 / ミクロ偏析 |
Research Abstract |
繊維・傾斜機能材料の創成と関連して,凝固層のミクロ組織と組成を制御するには,それらの基盤がインプットされるマッシュ域の形成に対する理解が必要との観点から,多成分溶液と合金融液を供試した凝固実験を行い,マッシュ前線域での結晶の形態選択,数密度,マッシュ内部域での結晶の成長形や組成分布などを熱的操作条件としてのマクロ量との関連づけのもとで実験的に追究し,以下の知見を得た. (1)光吸収法を用いた濃度測定により,結晶まわりに発達する濃度場の様相が明らかとなった.スパン方向の濃度分布は主軸側部に近いほど溶質が蓄積されるため凹型の分布となっており,境界層の内側では,温度と濃度の拡散速度の差に起因する組成的過冷却が界面不安定をもたらし,結晶側部に2次以上の高次のアームが発生する. (2)結晶側部に発生する2次アームの発生機構が組成的不安定理論によって解明され,2次アーム間隔が結晶成長速度と初期組成比に依存することが明らかにされた. (3)分配係数の大きな合金系を対象に,セル状やデンドライト状などの結晶形態の選択基準が理論的に解明され,その有効性が実験との対比のもとで明らかにされた. (4)結晶の主軸は融液側に形成される濃度境界層の枠組みに対して間隔を整えており,その間隔は局所的に適用した岡本らの式に概ね従うことが示された.しかし,結晶同士の干渉による間引き現象やそれによる数密度変化を,熱的制御パラメータとの関連のもとでコンシステントに記述する凝固モデルには至っておらず,結晶とマトリックス相に取り込まれる組成分布とその制御方法を含めて今後の課題となる.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hayashi, Y., Yoshioka, H., Tada, Y.: "Microsoldification Process in Multicomponent System"Microscale Thermophysical Engineering. Vol.6No.4. 253-266 (2002)