2004 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡プラズマを用いた化学反応による高水素吸蔵性カーボンナノチューブの気相合成
Project/Area Number |
14750149
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
石丸 和博 岐阜工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (60232344)
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Keywords | 非平衡プラズマ / 直流放電 / フィラメント型電極 / 化学的気相合成 / 高純度アセチレン / 炭素材料 |
Research Abstract |
新たな水素吸蔵物質として注目されている単層カーボンナノチューブの合成には、化学的気相合成法を用いることが最も有効な手法の一つと考えられている。本研究では、合成反応場に、高い熱的・化学的非平衡性を有する放電プラズマを導入する方法を提案し、この特性を利用した化学反応により、高水素吸蔵性カーボンナノチューブを合成する指針を得ることを目的としている。3年目の本研究では、直流グロー放電プラズマに注目し、原料ガスとなる高純度アセチレンと、アセチレンの高反応性を制御し放電の発生・維持を容易にする働きを有するヘリウムとの混合ガス中における特性を調査した。なお、プラズマ発生装置において、熱フィラメント支援による原料ガスの分解を可能にするフィラメント型電極を陰極側に採用した。 ヘリウムの混合、および陰極側が電極近傍で不平等電界による高い電界強度を得られる形状であることから、高いガス圧でも放電が発生・維持できるプラズマ状態が実現された。このヘリウムの働きについては、RF交流放電の場合と同様、ヘリウムの低い放電開始電界強度とペニング効果が考えられる。しかし、圧力ごとの電流-電圧特性には、圧力依存性が顕著に表れた。プラズマ状態は印加電圧で制御されることが多く、印加電圧の上昇に対する電流量の上昇割合は小さい方が良い。また、同印加電圧に対する電流量についても、ジュール発熱を抑制するために少ない方がよい。すなわち、本放電プラズマにおいては、可能な限り低い圧力条件が材料合成に適していることが明らかになった。さらに、電極表面での付着物質状況から、本放電プラズマによって、カーボンナノチューブを合成できる可能性が示唆された。 また、本放電プラズマ発生技術は、流動層方式を用いた大気圧放電によるオゾン生成にも用いられ、流動層を形成する粒子層を適切な状態にすることで、高効率・高濃度でのオゾン生成を可能にした。
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Research Products
(4 results)