2002 Fiscal Year Annual Research Report
科学技術計算における三次元有限要素法を用いた統一解析システムの構築
Project/Area Number |
14750204
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山口 忠 岐阜大学, 工学部, 講師 (30291777)
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Keywords | 三次元有限要素法 / 科学技術計算 / 統一解析システム / 電磁界解析 / 熱伝導解析 / サーモスイッチ / バイメタル |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 ・三次元有限要素法による電磁界解析システムおよび熱伝導解析システムをベースとした過渡解析用統一解析システムの開発 電気機器自体の発熱がその機器特性に及ぼす影響は少なくなく、近年開発されている電気機器で使用する新素材のなかには導電率や透磁率に対して温度依存性が高い物質がある。このような電気機器の動作特性解析を行うためには、電磁界解析をはじめ、熱伝導解析、電気回路、運動方程式等の方程式が組み合わされて解かれる統一解析システムの開発が必須となる。そこで、電磁界解析手法と熱伝導解析手法を合成した有限要素解析システムをベースとして、電気回路、運動方程式等と連成して解析でき、かつ、電気機器の設計者が簡単な操作で使用することができ、操作性を損なうことのない統一解析システムを開発した。 本システムの妥当性および有用性を明らかにするために、温度によって状態が変化する次の電気機器の動作特性解析を行った。 (1)磁界解析と熱伝導解析を連成させることにより、温度によって透磁率が変化するサーマロイ素子を利用したサーモスイッチの静的な吸引力特性を解析するとともに実測値と比較検討し、本解析手法の妥当性を示した。さらに、運動方程式と連成することにより、サーモスイッチの動作特性を明らかにし、本システムの有用性を明らかにした。 (2)熱伝導解析、形状変化の状態方程式および電流分布解析を連成し、バイメタルを用いた直熱形遮断機の動作特性解析を行い、実測値と比較検討することにより、本システムの妥当性および有用性を明らかにした。
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[Publications] T.Yamaguchi, Y.Kawase, H.Shiomoto, K.Hirata, T.Ota: "Coupled Analysis Method of Thermostatic Switch"Proceedings of the Tenth Biennial IEEE Conference on Electromagnetic Field Computation. 287-287 (2002)
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[Publications] 河瀬順洋, 山口忠, 西村隆, 桑村和男, 染川幸範: "バイメタルのわん曲を考慮した三次元温度分布解析の直熱形遮断機への適用"電気学会静止器・回転機合同研究会資料 (SA-02-40〜57、RM-02-76〜93). 49-52 (2002)
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[Publications] 山口忠, 河瀬順洋, 塩本洋千, 平田勝弘, 太田智宏: "三次元有限要素法を用いたサーモスイッチの動作特性解析"電気学会マグネティックス・リニアドライブ合同研究会資料 (MAG-02-131〜136、LD-02-103〜108). 17-20 (2002)