2002 Fiscal Year Annual Research Report
レグ共通形電力変換器における数理計画法に基づくリアルタイム高効率制御法の開発
Project/Area Number |
14750218
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
安東 至 秋田工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (20212665)
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Keywords | レグ共通形電力変換器 / 数理計画法 / 高効率 / スイッチング損失 / 導通損失 / DSP |
Research Abstract |
本年度は,1レグ共通形単相・単相ブリッジ形電力変換器において,入出力における総合効率が最も高くなる各レグ制御法を数理計画法に基づいて理論的に導出し,シミュレーションにより確認した。また,本制御手法を適用した実機の試作中である。 電力用半導体素子におけるスイッチングに伴う損失を数式化し,入出力電流と出力電圧指令値から全素子における損失の合計を演算した。次にレグ出力電圧がDC電圧で制限されるレグ出力限界値の場合は,スイッチング損失は生じないので,導通損のみとなるよう演算値に重み付けを行い目的関数とし,制約条件下で数理計画法を活用して最高効率となる各レグ制御法を算出した。また,その妥当性をシミュレーションにより確認した。これより,以下の結果が得られた。 1各素子のスイッチング損失は「電流に比例する」として数式化した。 2各素子の導通損失は「オン抵抗一定として流れる電流の2乗に比例する」として数式化した。 3損失の重み付けゲイン関数は「出力電圧に対する余弦関数の平方根」として数式化した。 41〜3より算出した全レグ損失を目的関数,出力電圧指令値を制約条件とし,数理計画法により目的関数が最小となる各レグ出力電圧を演算した。 5理論およびシミュレーションより,入出力電圧指令値の制約条件下で最も大きな電流が流れているレグのスイッチングを減らし,直送領域を増加する高効率化が自動的に適用できた。 6従来の制御手法に比べ,シミュレーションでは2〜3%程度を超える高効率化が確認できた。 以上の結果より,理論的には本高効率制御法の有効性が確認できた。現在,本制御手法をリアルタイムに適用したDSP制御による実機を試作中であり,本年度の基本的目的は達成できた。
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Research Products
(2 results)