2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミリ波帯における逆相給電一層構造導波管平面アンテナの研究
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14750277
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
木村 雄一 埼玉大学, 工学部, 助手 (90334151)
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Keywords | ミリ波アンテナ / 平面アンテナ / 導波管スロットアンテナ / 高利得・高能率 / 量産可能 / 低サイドローブ化 / モーメント法 / 電磁界解析 |
Research Abstract |
平成14年度においては、ミリ波帯において高利得・高能率が期待され、かつ、大量生産を可能とする簡素な構造の逆相給電一層構造導波管スロットアレーアンテナについて、76GHz帯において設計および試作を行った。試作アンテナは29個のスロットを有する放射導波管24本で構成され、アンテナの大きさは80mm四方である。設計周波数である76.5GHzにて一様開口励振となるように、電力分配回路、スロットおよびチョーク構造の設計を行った。部材には加工精度の良いステンレス板を使用し、スロット板はエッチングにより、導波路およびチョークは切削によりそれぞれ加工した。今回はスロット板と給電溝構造を熱圧着で接合したものとねじで固定したものを試作し、それぞれの特性を比較した。近傍電磁界測定により、熱圧着型、ねじ止め型とも位置ずれに起因するわずかなリプルが見られたが、ほぼ一様な開口分布が得られた。利得については、熱圧着型は34.3dBi(効率50%)、ねじ止め型は32.4dBi(同35%)であった。これらの結果により、設計の有効性は確認したものの、利得および効率の更なる向上については課題が残った。次に、本アンテナの高機能化の一環としてE面指向性の低サイドローブ化について検討した。電力分配回路を構成するT分岐について、結合窓の幅およびその位置を調整することにより分配電力および位相を制御可能なことを明らかにした。この結果を用いて、電力分配回路にサイドローブレベルが-25dBとなるテイラー分布を設計し、解析により所望の指向性が得られる見通しを得た。なお、本アンテナを設計する際モーメント法を用いた電磁界解析を利用したため、本研究費で購入したパーソナルコンピュータが威力を発揮した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kimura Y., Hirokawa J., Ando M., Haneishi M.: "Alternating-Phase Fed Single-Layer Slotted Waveguide Arrays with Wide Chokes at 76GHz Band"2002 IEEE Antennas and Propagation Society International Symposium Digest. Vol.1. 228-231 (2002)
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[Publications] Kimura Y., Miura Y., Hirokawa J., Ando M.: "A Low-Cost and Compact Wireless Terminal with an Alternating Phase Fed Single-Layer Waveguide Array for 26GHz Fixed Wireless Access Systems"Proceedings of 12th International Conference on Antennas(JINA2002). Vol.2. 455-458 (2002)
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[Publications] 木村雄一, 広川二郎, 安藤 真, 羽石 操: "幅広チョーク装荷した逆相給電一層構造導波管スロットアレーのミリ波における試作"2002年電子情報通信学会総合大会. B-1-66 (2002)
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[Publications] 高橋正成, 木村雄一, 羽石 操: "逆相給電一層構造導波管スロットアレーにおけるE面指向性の低サイドローブ化"2002年電子情報通信学会ソサイエティ大会. B-1-46 (2002)
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[Publications] 田中宏哉, 木村雄一, 羽石 操: "スロットを直線状に配列した逆相給電一層構造導波管スロットアレーの検討"2003年電子情報通信学会総合大会. (発表予定). B-1-88 (2003)