2002 Fiscal Year Annual Research Report
前処理を用いないステレオエコーキャンセラに関する研究
Project/Area Number |
14750286
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
平野 晃宏 金沢大学, 工学部・情報システム工学科, 講師 (70303261)
|
Keywords | エコーキャンセラ / 多チェンネル / 前処理 / ステップサイズ |
Research Abstract |
1.前処理を用いない切り替え学習方式では、前半と後半のフィルタ係数を収束させてから学習を切り替える必要がある。収束判定は困難であるため、切り替え間隔を長めに固定していた。そのため、学習に時間がかかる、パラメータ設定が困難という問題点があり、実用化の妨げとなっていた。この問題を解決するために、フィルタ係数の収束の度合を自動判定し、学習切り替え間隔を自動的に制御するアルゴリズムを提案した。一定間隔毎にフィルタ係数の変化量を計算し、変化量が減少から増加に転じた際に収束したと判定する。計算機シミュレーションを行ない、自動切り替えによって収束速度を2倍以上に高速化できることを確認した。 2.従来の切り替え学習方式では、学習を安定化させるためにフィルタ係数の時間平均値を求めていた。そのため、演算量が50%程度増加していた。また、ステップサイズの設定にトレードオフがあり、収束速度を高速化しようとすると精度が劣化するという問題があった。これらの問題点を解決するために、フィルタ係数の収束の度合に応じてステップサイズを自動制御するアルゴリズムを提案した。学習切り替え間隔と同様にフィルタ係数の変化量を計算し、変化量が減少するとステップサイズを小さくするように制御した。計算機シミュレーションを行ない、収束速度を劣化させずに学習を安定化できること、時間平均値求める必要がないので演算量を削減できることを確認した。学習切り替え間隔の自動制御と組み合わせることにより、演算量を削減しつつ、収束速度を高速化できることを確認した。 3.実測データを用いた理論検討やシミュレーション、シグナルプロセッサによる実時間動作検証を行なうための実験環境を構築した。
|