2002 Fiscal Year Annual Research Report
次世代ワイヤレスインターネットにおけるマルチメディア通信のための品質制御
Project/Area Number |
14750315
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
甲藤 二郎 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (70318765)
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Keywords | モバイルインターネット / ワイアレスインターネット / モバイルIP / ワイアレスTCP / アドホックネットワーク / マルチパスルーティング / 階層化マルチキャスト |
Research Abstract |
ワイアレスインターネットにおける通信品質に関わる種々の課題の解決を目標に、各プロトコル階層における以下の検討を行なった。 (1)レイヤー3課題1:地理的位置情報を活用した高速ハンドオーバー ワイアレスLAN基地局が多数並んだ環境を想定し、端末が移動しながら基地局を切り替える際に発生するハンドオーバーを効率的に実現するための技術として、GPS等によって得られる位置情報に従ってドメインを動的に再構成する高速ハンドオーバー技術を提案し、シミュレーションによってその有効性を示した。 (2)レイヤー3課題2:アドホックネットワークにおけるマルチパスルーティング 複数の端末同士が移動しながら通信を行なうアドホックネットワークにおいて、端末間に複数の経路(マルチパス)を確立しながら、それに伴う通信オーバーヘッドを最小限に抑えることでスループットを改善する方式を提案し、特に低速移動時の提案方式の有効性を示した。 (3)レイヤー4課題:ハンドオーバーに耐性を有するTCP輻輳制御アルゴリズム ハンドオーバーによる通信の瞬断が発生した場合を想定し、通信再開後に明示的ハンドオーバー通知を行なうことで送信端末の輻輳ウィンドウを回復させ、大幅なスループッ卜の低下を招かない方式を提案し、種々の関連提案との比較結果として、提案方式の有効性を示した。 (4)レイヤー7課題:受信者・送信者協調による階層化マルチキャストにおけるレート最適化 以前にワイアレスインターネットにおける有効性を示した階層化マルチキャスト方式においてさらに検討を進め、動的に代表受信者を更新しながら、TCPフレンドリと呼ばれるレート制御方式に従って送信者が階層ごとの送信レートを更新し、個々の受信者の受信レー卜を最適化するアルゴリズムを提案し、その有効性を示した。本テーマは、電子情報通信学会における情報ネットワーク研究会賞を受賞した。
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[Publications] 西林泰如, 甲藤二郎: "Multipath Extension of AODV with Enhanced Route Establishment and Proactive Route Management"電子情報通信学会総合大会. SB-14-6 (2003)
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[Publications] 櫻井祐介, 西林 泰如, 甲藤二郎: "AODVを用いたアドホックネットワークにおけるTCP特性改善方式の一提案"電子情報通信学会 春季全国大会. B-6-123 (2003)
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[Publications] 泉川晴紀, 山口一郎, 甲藤二郎: "An Efficient TCP with Explicit Handover Notification in Wireless Networks"電子情報通信学会 情報ネットワーク研究会. IN2002-208 (2003)
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[Publications] 山口一郎, 甲藤二郎: "Renoとの親和性を考盧したTCP Vegasの改善とその応用"電子情報通信学会 情報ネットワーク研究会. IN2002-274 (2003)
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[Publications] 泉川晴紀, 甲藤二郎: "地理的位置情報を用いた分散LMM"電子情報通信学会 情報ネットワーク研究会. IN2002-110 (2002)
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[Publications] 山口一郎, 本間健一, 甲藤二郎: "TCP親和性を持つ受信者駆動型階層化マルチキャス卜とレー卜制御に関する一検討"電子情報通信学会情報ネットワーク研究会. IN2002-105 (2002)
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[Publications] 亀山渉, 花村剛, 甲藤二郎, 他: "ディジタル放送教科書"IDG. 610 (2003)