2002 Fiscal Year Annual Research Report
或る代数曲線符号の復号2次元シストリックアレイのFPGA実装とその解析
Project/Area Number |
14750319
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
松井 一 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80329854)
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Keywords | 誤り訂正符合 / 代数幾何符号 / 代数曲線符号 / シストリックアレイ / FPGA / Groebner基底 / BMアルゴリズム / BMSアルゴリズム |
Research Abstract |
既存の誤り訂正符号よりも高性能である代数曲線符号について,高速性に優れたシストリックアレイを組み込んだ符号化から復号化までの一連のモデルを構築した. 1.符号に適した代数曲線を得るために,複数のコンピュータを用いて探索した結果,(1)現在の磁気記録装置への応用に最も適する情報長512バイト・30シンボル訂正以上を実現するための位数256の体上の代数曲線として,種数11以上で有理点を数多く持つものを探索した結果,いくつかの有用な曲線を得た. (2)近い将来の磁気記録装置への応用に適する情報長4096バイト・240シンボル訂正以上を実現するための位数256の体上の代数曲線を探索した結果,現在までのところ,よく知られたHermite曲線が最も高能率であることが判明した. 2.符号化方式特に有理点の生成方式及び効率的な組織符号化の検討を行った.これらにはFermat符号に対する近藤昌晴氏によるものを特にHermite曲線に応用したものが効果的であることがわかった. 3.研究目的で解説した誤り位置多項式の並列計算のための2次元シストリックアレイについて,未知シンドローム決定を含めて,MATLABによってシミュレーションを構築した.本モデルで示した誤り個数が3の場合,シストリックアレイは既存のKoetterアーキテクチャに対して処理速度は2.4倍,また今後の高セクタ長を考慮した誤り個数が300の場合は約220倍の処理速度となり,注目すべき結果が得られた. 4.誤り値評価方式の選択を行った.BMSアルゴリズムの出力をそのまま利用することができるO'Sullivanによる公式を用いるものが最も適当であると結論した. 研究目的を達成するための今後の研究計画・方法としては,FPGAチップへの実装,及びその解析・性能評価を予定している.
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[Publications] 松井一, 阪田省二郎, 三田誠一: "シストリックアレーを用いた代数曲線符号の並列復号における未知シンドロームの決定"電子情報通信学会論文誌(A). vol.J85-A, no.4. 460-470 (2002)
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[Publications] 馬緤尚弘, 松井一, 三田誠一: "代数曲線符号のシストリックアレー復号における誤り値算出法とそのシミュレーションモデルの構成"電子情報通信学会信学技報. IT2002-43. 19-24 (2003)
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[Publications] 松井一, 馬緤尚弘, 三田誠一: "代数曲線符号に対する復号2次元シストリックアレーの実現とその性能評価"(発表予定).