2003 Fiscal Year Annual Research Report
伝送線路で結合したカオス発生回路において発生する現象とその応用に関する研究
Project/Area Number |
14750321
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
河田 淳治 徳島文理大学, 工学部, 講師 (00248329)
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Keywords | カオス発生回路 / カオス同期 / 伝送線路 / 遅延 / 特性インピーダンス |
Research Abstract |
昨年度までに行った研究より,伝送線路で相互結合した場合(遅延時間,特性インピーダンスの影響を受ける)にはカオス同期が達成されるが,伝送線路の両端で整合を取り,電圧バッファを介して結合した場合(遅延時間の影響だけを受ける)には,双方のカオス発生回路とも発振が停止してしまうことが分かった。そこで,伝送線路の特性インピーダンス,すなわち線路パラメータがカオス同期に大きな影響を与えていると考え,伝送線路をLC梯子型の集中定数等価モデルで置き換え,調査を行うことにした。LC等価回路のインダクタンス・キャパシタンス値を遅延時間・特性インピーダンスから算出し,1パラメータ分岐図を作成した。その結果,伝送線路結合の場合と同様の分岐現象が観測された。このことから,伝送線路の遅延時間もしくは特性インピーダンスを変化させることにより伝送線路のLC成分が変化し,これによってカオス発生回路の回路パラメータを変化させるのと同様の効果が得られて分岐を生じていることが分かった。また,カオス同期が達成される最大の遅延時間はカオス発生回路の回路パラメータのオーダーに依存することも分かった。 また,集積化され,動作周波数が高速なカオスシステムにおいては,配線部を多導体伝送線路として解析を行う必要があるが,現在使用しているアルゴリズムでは多導体の場合に対応できない。そこで,Leverrier-Faddeevaの修正アルゴリズムを用いて多導体伝送線路のアドミタンス行列の正確な極を求め,それに対応する留数を最小二乗法により求めて,アドミタンス行列を部分分数で近似するという縮退化アルゴリズムを考案した。今後,本アルゴリズムを用いて,大規模なカオスシステムにおける伝送線路の影響について調査を行う予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Junji Kawata, Yuichi Tanji, Yoshifumi Nishio, Akio Ushida: "A Reduction Technique for RLCG Interconnects Using Least Squares Method"Proc.of 2004 RISP International Workshop on Nonlinear Circuits and Signal Processing (NSCP'04). vol.1. 371-374 (2004)