2002 Fiscal Year Annual Research Report
ディジタル磁気記録のための2次元符号化と信号処理に関する研究
Project/Area Number |
14750326
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Research Institution | Niihama National College of Technology |
Principal Investigator |
栗原 義武 新居浜工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (80249862)
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Keywords | 磁気記録 / トラック間干渉 / 信号処理 |
Research Abstract |
ディジタル磁気記録の高密度化が進むにつれて、従来から検討されている同一トラック内だけの波形干渉だけでなく、隣接するトラックからの影響も大きな問題となりつつあるため、このような複数のトラック間にまたがる波形干渉がなるべく生じないような方式を始めた。従来の磁気記録用の信号処理方式といえばPRML方式とよばれる方式でパーシャルレスポンス方式と最尤検出法の一種であるビタビ検出との組合せ方式が主流であったが、最近の情報理論の分野においては、ターボ符号、低密度パリティ検査符号、SOVA方式などの検討も盛んに行われるようになりはじめ、これらに方式についても、複数トラック間にまたがる影響が少ない方式を検討する必要があるが、本年度の計画の中には、これら新しい技術について検討を始めるための情報収集も含まれている。そこで、今年度には、ターボ符号、低密度パリティ検査符号に関する資料をそろえ、また、磁気記録技術だけでなく通信技術からの応用、例えばスペクトル拡散技術等についても記録技術へうまく適用できないか等についても検討を始めている。また、これまで悪化していた研究環境の再整備も本年度の研究計画の一部であり、UNIX系の計算機シミュレーションが可能な計算機システムを導入し、さらに、信号処理解析の効率化を図るためMATLABという市販のソフトウェアを導入し、信号処理の検討に利用した。最後に、今年度の目的に挙られているように、複数トラック間にまたがって波形干渉の影響をできるだけ受けないようなパターンを考慮して記録符号の検討を行うことに関しては、今年度は、2トラック間において検討をはじめた。記録パターンとしては、トラック間で記録波形の位相が逆位相であれば互いに干渉を強め合い、再生波形においてSN比の劣化が生じやすくなるため、記録パターンとして逆位相が生じない符号を検討し、その結果、従来のPRML方式へ導入できた。
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