2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750337
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
寺西 大 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (50237004)
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Keywords | 音響信号処理 / 自動判別 / 紙幣識別 / ウェーブレット / パターン認識 |
Research Abstract |
平成14年度は、本研究の目的であるバンクマシンの音響信号情報を用いた実用的な疲弊札判別システムの構築を達成するための足がかりとして、主として次の2つの項目について研究を行った。 1.バンクマシン内部の紙幣音発生形態の調査 2.紙幣の振動による紙幣音発生メカニズムの解明 項目1では、バンクマシンの内部で発生しうる紙幣音の形態として、(a)通過音、(b)引張音、(c)衝突音の3種類を取り上げてこれらを発生させるモデル機構を試作し、各種紙幣音響信号を計測した。これらのうち(a)の通過音については、現行のバンクマシンの機構的変更なしに音響信号を得ることができることと、研究代表者が提案する、音響信号のウェーブレット区間強度を特徴量に用いることで、3段階の疲弊度に識別が可能であることが明らかとなった。これらの成果を国際会議ICANN2002にて発表した。また、そのほかの(b)引張音、(c)衝突音については、紙幣音発生時間が通過音に比べて短いために、高時間分解能の音響計測と、より高度な音響特徴量の抽出法の検討が必要とされるが、これらを用いても疲弊識別の可能性が見いだせることが明らかとなった。 また項目2では、紙幣の振動様態を動画像計測でとらえるために、紙幣打撃装置、ならびに、パーソナルコンピュータと高速度カメラを接続した動画像計測システムを構築した。同システムを用いて紙幣打撃時の音響発生を画像と音響信号の両面から観測した結果、紙幣打撃時には、音響信号においては、上記項目1で検討した音発生メカニズムよりも明確に疲弊度による際が現れることが明らかとなった。次年度以降において、動画像特徴量での紙幣音発生メカニズムの解明を急ぐ必要がある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] M.Teranishi: "Neuro-Classification of Bill Fatigue Levels Based on Acoustic Wavelet Components"Artificical Neural Networks ICANN 2002, International Conference Proceedings, LNCS 2415. 1074-1079 (2002)