2002 Fiscal Year Annual Research Report
温度・応力履歴依存性に着目した若材齢コンクリートのクリープ特性
Project/Area Number |
14750389
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
糸山 豊 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10335094)
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Keywords | クリープ / 若材齢コンクリート / 温度履歴 / 応力履歴 / 履歴依存性 / 内部エネルギー |
Research Abstract |
若材齢時におけるコンクリートのクリープ特性を把握するためには、クリープ試験を行う際に作用荷重及び温度を時間とともに変化させる必要がある。実験は普通ポルトランドセメントを用いたコンクリート供試体で、圧縮および引張クリープ試験のそれぞれについて応力履歴および温度履歴を与えた以下の各6ケースを行った。 応力履歴は作用荷重を除荷することにより与え、いずれのケースも同一の履歴とした。載荷開始材齢を2日目として載荷期間5日間を経たのち除荷を行い、その後3日間測定を行った。 試験温度については,30℃,50℃,70℃の3水準を設定した。養生温度および載荷温度は各シリーズにおいてそれぞれ一定とし,除荷後の温度はそれまでの載荷温度と同じか,もしくは降下させる温度履歴を与えて,これらの温度履歴を組み合わせた6ケースのクリープ試験を行った。 湿度については,試験中の全期間を通じて98%一定とした。 実験によって得られた知見は以下のとおりである。 1 若材齢時のクリープ挙動に与える温度の影響として,温度上昇に伴うセメントの水和促進によってクリープが抑制される要因と,逆に高温下では内部エネルギーが活発になりクリープが促進される要因が挙げられる。この実験においてはセメントの水和度の影響が大きく,圧縮および引張クリープ試験における載荷期間中の単位クリープひずみは,養生温度および載荷温度が高いほど小さくなる。 2 圧縮および引張クリープ試験において全期間一定の温度履歴を受けた場合,除荷期間中の単位回復ひずみは温度の影響が大きく,温度が高いほど単位回復ひずみは小さくなる。 3 養生および載荷期間中に高温履歴を受けた場合,除荷期間中の単位回復ひずみに与える温度の影響は顕著に認められない。
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