2003 Fiscal Year Annual Research Report
工学的実用を目指した超高分解能強震動情報データベースシステムの構築―東京・横浜市・仙台市を例として:次の巨大地震にそなえるために―
Project/Area Number |
14750395
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市村 強 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20333833)
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Keywords | 強震動 / 階層型解析 / 構造の曖昧さ / 計算力学 / 波動場計算 |
Research Abstract |
合理的な震災対策を考える上で,高分解能地震動情報が果たす役割は大きいと考えられる.近年の観測により,断層の破壊過程・地殻内の波動伝播・地表付近の増幅効果が地震動分布に及ぼす影響が大きいことがわかってきた.地震動分布を高分解能で定量的に予測するためには,これらを考慮した三次元数値シミュレーションが有効な方法と考えられるが,膨大な計算量・地盤情報の不確実性・地盤のモデル化の困難さなどから実現が難しいとされている.これらの問題を解決するために,計算量を軽減可能な階層型解析手法と曖昧さに対処しうるバウンディングメディア理論を組み合わせたマクロ・ミクロ解析手法を提案・検証を行った.また,地理情報システム(GIS)に南関東エリアのボーリングデータ及びモデリングツールを実装した三次元地盤構造を自動的に作成可能なツールと,より効率的に波動場を計算するために並列化効率の高いボクセル有限要素法コードの開発を行った.以上を組み合わせることにより,上記の問題点の解決を図り,高分解能地震動予測システムの開発を行っている.開発したシステムの有効性を検討するため,横浜市で観測された微小地震・宮城県沖地震等の再現を試み,最大速度等の地震被害を表す指標などでの比較を行い,本アプローチの有効性を検証した.さらに,このような強震動情報のひとつの利用例として,計算機上に各種構造物を含む都市を構築しその都市系全体の動的応答をもとめ,それを評価するシステムのプロトタイプの開発も行った.今後は,本手法の高精度化を図るとともに,都市地震災害軽減のために,どのような情報が必要とされているのかについて精査することを考えている.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 市村強, K.M.Ali, 堀宗朗, 池田清宏: "次の宮城県沖地震における高分解能強震動予測のための基礎研究-2003年5月26日宮城県沖の地震のマクロ-ミクロ解析手法による再現-"土木学会地震工学論文集. Vol.27, 216. 1-7 (2003)
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[Publications] 市村強, 寺田賢二郎, 堀宗朗, 山川貴宏: "震災情報高度化を目指した統合震災シミュレーター開発のための基礎研究"The Fifth Japan Conference on Structural Safety and Reliability (JCOSSAR2003). 5. 17-24 (2003)
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[Publications] 市村強, 堀宗朗, 寺田賢二郎, 山川貴弘: "統合地震シミュレータにおける高分解能強震動シミュレータと都市域の電子情報の利用について"土木学会応用力学論文集. 6. 615-622 (2003)
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[Publications] M.Hori, T.Ichimura, H.Nakagawa: "Analysis Methods of Stochastic Model : Application to Strong Motion and Fault Problems"J.Struct.Mech.Earthquake Eng.JSCE. No.738I-64. 11-24 (2003)
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[Publications] M.Hori, T.Ichimura: "Development of Strong Motion Simulation System based on Multi-Scale Analysis and Geographical Information System"Seventh U.S. National Congress on Computational Mechanics. CD-ROM. (2003)
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[Publications] T.Ichimura, M.Hori: "Earthquake Disaster Estimation using Geographical Information System and Strong Ground Motion Simulation System based on Multi-scale Analysis"International Union of Geodesy and Geophysics. SS04b/10P. D-047 (2003)
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[Publications] 分担執筆: "構造工学ハンドブック"丸善. 1047 (2004)