2003 Fiscal Year Annual Research Report
繰返しせん断中の給排水を制御できるオンライン実験システムの開発
Project/Area Number |
14750408
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仙頭 紀明 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40333835)
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Keywords | 液状化 / 砂質土 / オンライン実験 / 透水 / 土水連成 / 地震応答解析 |
Research Abstract |
繰返しせん断中の給排水を制御できるオンライン実験システムの開発にあたり,本年度は前年度に構築した実験システムのせん断ひずみ計測装置をポテンショメータ式からレーザーロータリーエンコーダ式に変更した.更新されたシステムでは,従来,ステッピングモーターからセンサーへのノイズ進入があり,応答値に若干の影響がみられたが,センサーの変更により,ノイズの問題はほぼ解決されて,最小分解能はせん断ひずみして2×10^<-6>,測定可能な最大せん断ひずみは理論上は無限大となった.この改良により,オンライン実験の精度が格段に向上した.このシステムを用いて,給水条件下におけるせん断変形特性,繰返しせん断載荷後の排水特性,せん断力一定条件下における排水特性に関する研究を実施した.これらの試験は,せん断ひずみ,体積ひずみを連動させて制御する必要があり,従来の汎用試験装置では制御が困難な試験パスであるが,本実験システムでは若干のアルゴリズムを変更することで対応が可能である.試験結果より,間隙比の変化に依存したダイレイタンシー特性や,斜面地盤における繰返しせん断後の排水特性を研究し,その研究成果をまとめた.また,多層地盤のハイブリッド地震応答解析を行うための弾塑性構成モデルをコーディングし,実験システムに組み込んだ.現在のところ,弾塑性構成モデルを用いた地震応答解析は行えるようになっているため,今後は,中空ねじり試験装置による要素試験層を組み込んだハイブリッドオンライン実験に発展させるために,若干のプログラム変更を行って,間隙水の移動が生じる条件における地震応答計算を近々実施する予定である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] N.Sento, M.Kazama, R.Uzuoka, H.Ohmura: "Possibility of post-liquefaction flow failure due to seepage"J. of Geotechnical and Geoenvironmental Engineering, ASCE. 7月掲載予定. (2004)
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[Publications] 仙頭紀明, 風間基樹, 渦岡良介: "非排水繰返しせん断履歴後の再圧密実験と体積収縮特性のモデル化"土木学会論文集(III分野). 6月掲載予定. (2004)
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[Publications] 權 永哲, 浅野隆司, 仙頭紀明, 渦岡良介, 風間基樹: "液状化過程における砂の体積弾性係数の拘束圧依存性"土木学会地震工学論文集. Vol.27. 256 (2003)
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[Publications] 風間基樹, 仙頭紀明, 山口晶, 渦岡良介: "地盤工学におけるオンライン実験の適用"土と基礎. Vol.51 No.2. 19-22 (2003)
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[Publications] 斉藤賢二, 牛垣和正, 福元俊一, 仙頭紀明: "原位置凍結試料を用いた洪積砂層の液状化強度特性"土と基礎. Vol.51 No.3. 7-9 (2003)