2002 Fiscal Year Annual Research Report
画像データ利用の車両間コンフリクトシミュレーションと交通安全施策評価に関する研究
Project/Area Number |
14750449
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇野 伸宏 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80232883)
|
Keywords | 交通安全 / 交通コンフリクト分析 / 画像解析 / 潜在的衝突危険性 / 車両走行挙動解析 / 主観的コンフリクト評価 / インタビュー調査システム |
Research Abstract |
本研究では,道路区間の定量的危険度評価手法を提案するとともに,ミクロ交通シミュレーションを構築し,ITSの利用を含む包括的交通安全施策の効果ならびに導入に向けた課題について検討する.研究初年度である平成14年度は,主に次の3テーマに取り組んだ. 1)既開発の車両走行挙動データ抽出システムを利用して,車両の走行軌跡データを0.5秒程度以下のインターバルで抽出した.パソコン上に構築された車両走行挙動抽出システムは,交通流動デジタルビデオデータを用いて,個別車両の走行軌跡を画像座標上のデータとして抽出する機能,及び画像座標の現地座標への変換機能を有している.得られた走行軌跡データより車両速度および速度の変化率を求め,車両間の衝突危険度評価ならびに車両走行挙動解析に必要となる基礎データを獲得した. 2)車両間の衝突危険性を定量的に評価する方法を確立するため,各種の交通コンフリクト指標の考え方,算出方法を整理するとともに,既存指標の問題点を踏まえて新たなコンフリクト指標を提案した.上記1)で得た車両走行挙動データを用いて各コンフリクト指標値を求め,道路区間の潜在的な衝突危険性を客観的かつ定量的に評価することを試みた.具体的には合流部や織込み部を対象に衝突危険度評価を行うとともに,車線別の交通量や車線変更回数等のマクロ指標と衝突危険度との関係についても分析した. 3)客観的コンフリクト指標の試算値に基づき設定した,衝突危険性の異なる多種多様な場面に対する被験者の主観的な危険度評価の把握を目的として,インタビュー調査を実施した.パソコン上に構築したインタビュー調査システムを利用して,CG画像に基づき被験者が判断する主観的なコンフリクト評価と客観的な危険度との関係を把握し,2)で提案する各指標が把握できる危険事象の種類や程度について考察し,各指標の優位性と限界を明らかにした.
|
Research Products
(1 results)