2002 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮性LESによる高層ビル火災時の熱・汚染物質輸送の高精度予測手法の開発
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14750490
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
白石 靖幸 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (50302633)
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Keywords | 圧縮性LES / 火災 / 高精度予測 / 高浮力 / Boussinesq近似 |
Research Abstract |
1)火災・熱対流のデータの収集 既往の火災、機械分野等での高浮力プリュームに関する文献調査を行い、建物内外において利用可能な熱対流・汚染物質輸送解析のための基礎資料を作成した。また、既往の実験による火災時の熱対流及び煙流動の特性(代表温度差に対応する気流分布、温度分布、汚染物質濃度分布および非定常的な種々の物理量の増加、減衰過程)に関するデータを整備した。 2)圧縮性を考慮した流れ場・温度場の予測モデルの開発・検証 通常の非圧縮性流体(浮力項のみ密度変化を考慮するBoussinesq近似)の予測モデルを圧縮性流体の基礎方程式(基礎方程式から音波の伝搬を除去した低マッハ数近似式)を用いた予測モデルに拡張を行った。サーマルキャビティー内の高浮力流れを対象として解析を行い、Boussinesq近似を行った非圧縮性の方程式系の破綻する原因を解明すると共に、低マッハ数近似を行った簡易圧縮性の方程式系のプログラムコードの検証を行った。 3)乱流モデル(圧縮性LES)の組み込み 火災時のような複雑流れ場では、主として気流性状、温度性状は乱流状態を呈するため、乱流モデルとして予測精度、非定常性等の面で優れた圧縮性LESを2)で開発を行う予測モデルに組み込んだ。これにより、火災時に生じる乱流状態の高浮力プリュームの解析が可能となる。圧縮性LESを組み込んだモデルの予測精度の検証に関しては、次年度以降の課題である。
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[Publications] 白石靖幸: "低マッハ数近似式との比較によるBoussinesq近似式の予測精度の検討,圧縮性高浮力流れの数値解析に関する研究"日本建築学会九州支部研究報告集(環境系). 第42号・2. 285-288 (2003)
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[Publications] 白石靖幸, 村上周三, 加藤信介, 金泰延: "対流・放射連成解析による通気層を有する二重屋根の遮熱特性に関する検討"日本建築学会計画系論文集. 第556号. 23-29 (2002)
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[Publications] 白石靖幸, 村上周三, 加藤信介, 伊香賀俊治, 平野智子: "ポーラス型住棟の自然換気量増加と冷房負荷削減効果の検討,高温多湿気候下における環境負荷低減型住居に関する研究"日本建築学会計画系輪文集. 第558号. 15-22 (2002)
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[Publications] Yasuyuki SHIRAISHI et al.: "Residential Environment Issues in Hot and Humid Asia and the Design of a Porous-type Residential Building Model with Low Environmental Load"International Workshop on "Energy and Environment of Residential Buildings in China". 1-14 (2002)