2002 Fiscal Year Annual Research Report
現代都市型地域社会における住民主体活動のアソシエーション化に関する研究
Project/Area Number |
14750501
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎尾 直子 東京工業大学, 文教施設研究開発センター, 助手 (80282862)
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Keywords | 住民主体 / まちづくりNPO / アソシエーション化 / コミュニティ回帰 / 都市型地域社会 |
Research Abstract |
余暇時間の活用や生きがいの創出を目的として、地域づくり活動や様々なボランティア活動等、NPO的な活動の動きや組織化は、近年ますます活発化している。近年言われ続けてきた"コミュニティの希薄化""地域社会の崩壊"は圏域の見方を変えれば虚実であり、地域社会の範域が拡大している現在、人々を動かす起動力は「近所に住んでいる住民どうしの相互扶助」から「個々人の自己実現のための方法・目的」へ、すなわち、活動組織は地縁集団から機能集団へ変革していると捉えられる。 これらの社会情勢を踏まえ、住民主体の活動が地域社会において展開する圏域とその目的性、及び、地域への還元性相互の連関、言い換えれば、『住民主体活動のアソシエーション化とコミュニティ回帰』を本研究の対象とすることで、これからの都市型地域社会における地域自治や生涯学習活動に対する行政支援の見直しと改変を目的としている。 初年度平成14年度については、「住民主体活動のアソシエーション化の実態把握と地域意識・活動圏域との連関分析」とし、身近な居住地域における住民の主体的な活動展開調査を行うことにより、きっかけや仲間づくりから組織化までの経緯・活動目的とその後の地域還元性・行政との関連性、等をその組織の範域と参画者の誘致圏域との連関、さらに、同じ地域の他組織とのネットワーク性を通して明らかにした。 具体的には、都市部既成市街地において、まちづくり活動(学校・子育て、高齢者の介護支援、地域の環境づくり等)を行う市民組織をサンプリングし、ヒアリング調査を行い、同地域内の他組織や行政との関係、活動圏域の広がりの中での活動参画者の面的分布特性、点(各参画者)を結ぶネットワーク性を分析し、多様化する活動圏域とその起動力を明らかにし、住民意識や活動内容による圏域の最適解を検討した。 平成15年度は、「現代都市型地域社会と活動圏域の捉え方と今後の行政支援方策の提示」とし、2年度間の研究結果をとりまとめる予定である。
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