2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750502
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
添田 昌志 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80323814)
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Keywords | 方位感覚 / 経路移動 / 経路探索 / 環境情報 |
Research Abstract |
本研究は、人が曲折する経路を移動する際の身体方位感覚に着目し、それが自身の身体運動感覚と外部から得られる環境情報の両者に依存するものとして捉え、経路の曲折数・曲折角度や外部の環境情報のあり方による影響について、実寸大の実験経路を用いて明らかにすることを目的とする。 本年度は特に、経路の曲折数や曲折角度から受ける影響について明らかにすることを目的とし、本大学の実験室(8.5m×12.5m)に2〜4の曲折を持つ実験用の経路を製作した。経路は床、壁、天井とも半透明の布製で、その上方から白熱灯を用いて経路全体でほぼ均一な明るさになるようにし、経路外部からの環境情報は得られないものとした。この経路において被験者を用いた方向指示実験を行った。被験者は、経路入り口において進行方向を「北の方角」として教示された後、曲折のある経路を通りその出口において、方向指示板によって入り口で教示された「北の方角」を指示する。この実験は経路途中の曲折の回数、角度(60°、90°、105°)および左右の組み合わせ(ジグザグタイプ、回り込みタイプ)を変えて数回行った。 被験者の指示した方向のずれの大きさの分析から、複数回の曲折の移動によって生じる方向把握の誤差は、単一曲折の誤差の累積によっては説明されず、必ずしも曲折を重ねることによって誤差が直線的に増大する訳ではないこと、曲折の回転方向の組み合わせと誤差の大きさには明確な関係が見られないことなどが明らかになった。
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