2002 Fiscal Year Annual Research Report
「環境療法士」成立を目指した病室・療養環境整備手法の実証的研究
Project/Area Number |
14750517
|
Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
山本 和恵 東北文化学園大学, 科学技術学部, 専任講師 (10230541)
|
Keywords | 環境療法士 / 療養環境 / 癒し空間 / 病室 / 居室 / 生理指標 |
Research Abstract |
本年度の研究は、「音深度をもとにした病床環境の心理学的・生理学的実証」のための実験の立ち上げと、「病床での感受性変化のメカニズム研究」として考察ならびに論文制作を行った。 心理学・生理学的実証に関しては、生理指標による測定装置の準備・操作の確認を行った。また実験環境・実験方法の適正化をはかるための予備実験を実施した。生理指標測定装置は限られた予算の中で、独自のセットアップを工夫し、起動させた。 一例として、刺激を与えてから脳波に影響が現れるまでには一定のタイムラグがあるなど、目的とする脳波を得るためには測定時間について考慮が必要であることがわかった。このように、実験環境や実験方法については、特別な配慮が必要である。適正な実験方法の確立については、それ自体も研究の対象と考える必要があることがわかった。 病床での環境に対する患者の感受性のメカニズムについて考察を深めた。今後研究を進めるためには医療関係者の協力が不可欠であることからも、積極的に医療、看護関係者への研究協力や学会発表など、理解を求める活動も行った。また、建築学会主催の「未来を拓く研究と技術開発に関する懸賞論文」に、「生老病死という苦しみを建築はただ見守るだけなのか」というテーマで、環境療法士の提案を行った。会友会賞を受賞し、環境療法士のコンセプトに建築学会においても賛同を得ることができた。
|
Research Products
(2 results)