2002 Fiscal Year Annual Research Report
有機無機相互作用を利用した金属酸化物多孔体の細孔構造制御とその応用
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14750548
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高橋 亮治 千葉大学, 工学部, 助手 (80292663)
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Keywords | 多孔質・多孔体 / チタニア / ジルコニア / 酸化スズ / シリカ / 有機無機複合体 / 触媒担体 / ナノコンポジット |
Research Abstract |
無機多孔体の構造形成機構の解明 チタニウム、ジルコニウム、スズの金属イオンと長鎖アルキルカルボン酸からなる有機無機複合体を経由する金属酸化物作製法において、それぞれの金属酸化物についてナノメートルサイズの細孔構造の制御が可能なことを見出した。また、熱分析その他の分析手法によって細孔形成過程を明らかにした。また、安価なシリカ源である水ガラスを原料としたゾルゲル過程においても有機物の添加により特徴的なマクロ-メゾの二元細孔構造が形成されることを見出した。このようにして作製されたシリカゲルは優れた断熱性、調湿性を併せ持ち、建材として利用可能なことが示唆された。 引き続き、こうした多孔体の特性を機能的に組み合わせることにより新しい無機材料の創生を進める。 多孔体の細孔特性の評価 多孔体の性質は、その細孔サイズ、比表面積、細孔容積などで特徴付けられることが多いものの、実際の利用においては、細孔内物質輸送速度が材料の有効性に大きな影響を与えることが多い。こうした観点から、ナノメートルサイズの細孔内における拡散係数について、細孔サイズや細孔表面特性の依存性について測定をすすめ、束縛空間内における物質輸送現象を明らかにした。あわせて、細孔表面への吸着挙動の評価を進め、細孔サイズに吸着挙動が大きく依存することがわかった。こうした吸着が、液相触媒反応において反応速度に影響を及ぼすパラメーターの一つであることを見出した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Sato, R.Takahashi, et al.: "Nickel oxide particles coated with silica"Bul. Chem. Soc. Jpn.. 75. 2297 (2002)
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[Publications] D.Shin, S.Sato, R.Takahashi, et al.: "Silica-coated metal oxide powders with high surface area"J. Ceram. Soc. Japan. 110. 1097 (2002)
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[Publications] M.Yabuki, R.Takahashi, et al.: "Silica-Alumina Catalysts derived in Sol-Gel Process of TEOS with Organic Additives"Phys. Chem. Chem. Phys.. 4. 4830 (2002)
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[Publications] R.Takahashi et al.: "Effect of Pore Size on Liquid-Phase Pore Diffusion of Nickel Nitrate"Phys. Chem. Chem. Phys.. 4. 3800 (2002)
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[Publications] H.Tsai, S.Sato, R.Takahashi et al.: "Liquid-Phase Hydrogenation of Ketones in Mesopores of Nickel Catalysts"Phys. Chem. Chem. Phys.. 4. 3537 (2002)
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[Publications] S.Takenaka, R.Takahashi et al.: "Effects of Preparation Conditions on Pore Structure and Crystal Phase of Mesoporous Zirconia"J. Ceram. Soc. Japan. 111. 16 (2003)