2003 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ細孔を活用した特異吸着性を有する遷移金属酸化物メソ多孔体の合成
Project/Area Number |
14750551
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
武井 貴弘 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (50324182)
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Keywords | 遷移金属 / 多孔体 / イオン交換法 / 層状酸化物 / 吸着選択性 |
Research Abstract |
本研究課題では、遷移金属酸化物のナノ多孔体の合成についての検討を行った。本年度の実績について以下に簡単に説明する。 1.メソポーラスシリカ-バナジウム酸化物複合体の作製 前年度では、バナジウム酸化物メソ多孔体が合成できたが、その比表面積は30m^2/g程度であった。そこで今年度は、大きな比表面積を持つヘキサゴナル型メソポーラスシリカをもちいて、その細孔内面にバナジウム酸化物をコーティングする検討を行った。バナジルカチオンを用いたイオン交換法および塩化バナジウムによる脱塩化水素法を行った結果、それぞれ最大で約7mol%、15mol%程度の酸化バナジウムがコーティングされたことがわかった。またそれらの比表面積から、10mol%までの含有量ではメソポーラスシリカの細孔内に酸化バナジウムがコーティングされていることがわかった。さらに、これらの試料の酸素-窒素吸着量測定を行ったところ、塩化バナジウムを用いた試料が酸素吸着選択性が最も大きく、O_2/N_2吸着量比はおよそ4と非常に大きくなることがわかった。 2.リシ酸ジルコニウムのシリカピラー多孔体の作製と構造解析 層状酸化物であるリン酸ジルコニウムを用いて、アルキルアミンにより層間空間を拡大した後、幾つかのシランを用いてその層間をピラリングした。そのようにして得られた多孔体の比表面積は最大で約220m^2/gであった。また、その構造を^<13>C、^<29>Siおよび^<31>P MAS NMR、XRDおよびTEMにより解析したところ、層間のアミンは400℃で燃焼し、シラン分子中の有機官能基は700℃で分解することがわかった。すなわち、有機官能基の吸着特性を多孔体に付与する場合は700℃以下の温度で熱処理すればよいことがわかった。また700℃以上では完全にシリカ質のピラーとなり、ポリケイ酸を出発原料に用いることで細孔サイズの制御ができることが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Takei, K.Sekijima, D.Wang, N.Kumada, N.Kinomura: "Soft Chemical Properties of Layered Zirconium Hydroxy Phosphate"Solid State Ionics. in press.
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[Publications] K.Okada, J.Kaneda, Y.Kameshima, A.Yasumori, T.Takei: "Crystallization Kinetics of Mullite from Polymeric Al_2O_3-SiO_2 Xerogels"Mater.Lett.. 57. 3155-3159 (2003)
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[Publications] D.Wang, R.Yu, T.Takei, N.Kumada, N.Kinomura, A.Onda, K.Kajiyoshi, K.Yanagisawa: "Non-aqueous Synthesis and Structure of a Novel Monodimensional Zirconium Phosphate : [NH_4]_3[Zr(OH)_2(PO_4)(HPO_4)]"Chem.Letters. 3. 398-399 (2003)