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2002 Fiscal Year Annual Research Report

高温でのシリカガラスのRayleigh散乱特性

Research Project

Project/Area Number 14750561
Research InstitutionToyota Technological Institute

Principal Investigator

垣内田 洋  豊田工業大学, 大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (40343660)

KeywordsRayleigh散乱 / 仮想温度 / シリカガラス / フッ素 / 塩素 / 密度揺らぎ / 濃度揺らぎ / 屈折率
Research Abstract

Rayleigh散乱は、ガラスの密度揺らぎと添加物を加えた際の濃度揺らぎの大きさで決まり、それぞれはガラスの凍結温度(仮想温度)と添加物種・濃度で変化すると考えられている。シリカガラスのRayleigh散乱への密度揺らぎと濃度揺らぎからの影響を見極めるため、本研究では仮想温度、添加物(F、Cl)濃度を変えて散乱強度を詳しく調べた。シリカ光ファイバは2000℃以上の高温から紡糸され、仮想温度は1600℃程度であると考えられており、実験では600〜1600℃の範囲にわたって仮想温度を変えた試料を準備した。また、FあるいはClはファイバ母材の製造中に添加される元素で、ここではそれぞれの濃度を0〜7、O〜2mol%の範囲にわたって変えた試料を準備した。
散乱角と散乱強度との関係を調べた結果、扱った試料の散乱強度は角度に依存しないことがわかった。これは、測定で用いた光波長488nm程度の観測スケールで密度揺らぎに相関が無いことを示している。散乱強度と仮想温度および添加物濃度との関係から次のことを明らかにした。
(1)純粋シリカガラスの散乱強度は仮想温度に比例して変化する。
(2)F濃度の増加とともに散乱強度は仮想温度と直線関係を保って増大する。
(3)Cl濃度が増加しても散乱強度と仮想温度との直線関係は測定精度内で変わらない。
密度揺らぎと濃度揺らぎとが互いに独立であるという仮定では、Rayleigh散乱において密度揺らぎから生じる成分は仮想温度に比例すると考えられており、これは結果(1)と一致する。また、濃度揺らぎから生じる成分は、濃度変化に対する屈折率変化の二乗に比例すると考えられている。Fが屈折率に及ぼす効果はClの3倍程度あり、この違いが上記(2)と(3)の違いの原因であると推測される。
以上の結果は、ファイバ紡糸工程で光損失を低減するための最適条件を決める上で役立つものと考えている。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] H.Kakiuchida, K.Saito, A.J.Ikushima: "Precise determination of fictive temperature of silica glass by infrared absorption soectrum"Journal of Applied Physics. 93. 777 (2003)

  • [Publications] H.Kakiuchida, K.Saito, A.J.Ikushima: "Local structural relaxation around OH in silica glass"Japanese Journal of Applied Physics. 41. 2993 (2002)

  • [Publications] H.Kakiuchida, K.Saito, N.Hiramitsu, A.J.Ikushima: "Effects of halogen doping on structure of silica glass as a photonic material"SPIE Proceedings. 4833. 504 (2002)

  • [Publications] H.Kakiuchida, K.Saito, A.J.Ikushima: "Rayleigh scattering in fluorine-doped silica glass"SPIE Proceedings. 4905. 355 (2002)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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