2004 Fiscal Year Annual Research Report
遷移金属酸化物の光磁気機械機能のマグネトロンスパッタリング法によるデバイス化
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14750562
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Research Institution | Yuge National College of Maritime Technology |
Principal Investigator |
柳沢 修実 弓削商船高等専門学校, 商船学科, 助手 (00332081)
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Keywords | 光・磁気・機械機能 / 超機能集積デバイス / ペロブスカイト型マンガン酸化物 / Pr_<0.65>Ca_<0.35>MnO_3 / Cr_2O_3 / Y_<0.33>Sr_<0.67>CoO_3 / マグネトロンスパッタ / 近赤外線レーザー |
Research Abstract |
マンガン酸化物Pr_<0.65>Ca_<0.35>MnO_3において、低温で近赤外線照射時における光誘起磁性(光-磁気機能)と光電荷移動(光-機械機能)を見出した。これを基に光磁気機械素子の実現をめざした。さらに、室温での同様の機能を示す物質探索を行い、(1)クロム酸化物Cr_2O_3と(2)コバルト酸化物Y_<0.33>Sr_<0.67>CoO_3をターゲット物質とした。機能の探索、機構の解明、薄膜化を行い、室温で作動する光磁気機械素子の実現をめざした。 (1)クロム酸化物Cr_2O_3粉末試料において電子スピン共鳴とSQUID磁束計により、パルス近赤外線レーザ照射時の光磁気機械特性を調べた。非光照射時は、磁化の温度特性はT_N=308Kで反強磁性転移を示す。光照射時は、室温付近(300K)で電子スピン共鳴の大幅な増大を示し、T_N以下の温度領域で熱活性型の温度依存に従う。この光誘起磁性は可逆であり光照射停止時に消失する。(口頭発表、米物理学会) (2)クロム酸化物Cr_2O_3薄膜の作成と評価を行った。最初に製膜条件の知見を得るためにゾルゲル法で製膜を行った。この知見を基に独自に設計製作したRFマグネトロンスパッタ装置を用いて製膜を行った。ターゲットと基板の配置を互いに直角に配置するオフアクシススパッタ配置を採用。基板種類、基板温度、ソース出力の条件を変え製膜を試みた。この結果ソース出力を下げることによって良質な薄膜が得られることがわかった。薄膜化で基板と試料間の格子ひずみによりT_Nが高温側にシフトした。 (3)コバルト酸化物Y_<0.33>Sr_<0.67>CoO_3粉末試料の作成を行った。SQUID磁束計による磁化率測定の結果、260Kにキューリ点(常磁性金属-ドメインを持つ強磁性金属)を持つことが判明すると共に、磁場中冷却時に210Kにおいて奇妙な磁化の変化を見出した。これは高スピン(S=2)-中間スピン(S=2)転移によるものと思われ、デバイス化への期待が持たれる。
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Research Products
(3 results)