2002 Fiscal Year Annual Research Report
高圧合成法によるH/Mが4を超えるアルカリ土類-7B遷移金属系水素化物の探索
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14750570
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292242)
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Keywords | 水素吸蔵合金 / 水素エネルギー / 高圧合成 / 新規水素化物 / プロチウム |
Research Abstract |
新たな水素貯蔵材料を探索する手法として、高圧合成法が挙げられる。また高い水素含有量を有する化合物を得る指針としてH(水素原子数)/M(媒体の原子数)の高い水素含有化合物の探索することが重要である。 本研究ではアンビル式高圧合成法を用いて、BaReH_9と同様の高水素含有が期待されるアルカリ土類-7B族遷移金属-H系に着目し、H/Mが4を超える水素化物の探索することを目的とする。合成温度1073Kにおいて3GPa以上の圧力下で作製されたMgH_2-x%LaH_3(x=25~33)試料に観察された新規水素化物相は単純正方のブラベー格子に属すことがわかった。また、その格子定数はx=25においてa=0.8193nm, c=0.5028m, x=33においてa=0.8172nm, c=0.5015nmであった。さらに、水素量測定から、x=25で得られた水素化物はMg_3LaH_9となり、仕込み組成と一致すると判断された。電気化学的中性条件から、これはこの化合物がイオン結晶であることを示唆している。したがって、x=33で得られた水素化物も電気化学的中性条件が成立するならば、結晶構造は異なるものの、オートクレーブによる合成が報告されているMg_2LaH_7と同じ化学式で表されると考えられる。 また、x=25〜33の組成変化により熱的安定性も格子定数と同様に、連続的に変化する傾向にある。Laの含有量が増加すると共に、DSCによる水素放出温度が約620K(10mol%LaH_3)から570K(50mol%)に低下することが分かった。この知見により、高水素含有が期待されながら、放出温度が高いことがネックとなっていたMg系水素吸蔵合金の低温下の知見が得られる可能性を示唆するものであることが分かった。
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Research Products
(1 results)