2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音波塑性加工およびその類似加工法に関する微視的研究と難加工材への応用
Project/Area Number |
14750586
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯塚 高志 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60335312)
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Keywords | 塑性加工 / 塑性変形 / 超音波加工 / 分子動力学法 / Blaha効果 |
Research Abstract |
本年度は超音波塑性変形および通電塑性変形におけるメカニズムの解明と加工への応用性の検討に向けて,ミクロ的観点からの解析とそのメカニズムの検討および基本的な力学的特性に関する実験を行い,以下の成果を得た. (1)Blaha効果および通電の効果の原子レベルにおけるメカニズムの検討 分子動力学法を用いて,アルミニウムの純粋な単結晶および不純物(異原子)を含む単結晶に振動を付加しながらせん断変形を加える解析を行い,静的な平均的応力場に振動による半静的な局部的応力場が付加されることによって見かけ上低い応力で変形(すべり)が進行することが確認できた.この効果は,異原子の存在によって材料に不均質性が加味されると異原子の性質によって抑制もしくは増長されることが確認できた.古典系で電子の流れ(衝突粒子の存在)を付加して分子動力学解析を行い,衝突粒子が原子運動に与える基本的な影響を明らかにした. (2)超音波および通電の塑性変形特性への影響の調査 超音波振動を加えた状態で圧縮試験を行い,試験片の温度変化を測定した.結果として,圧縮速度と温度上昇の関係を明らかにできた.線材に電流を加えた状態で引張試験を行い,公称応力-公称ひずみ応答を測定した. (3)ミクロからマクロへの効果の遷移と連動に関する考察 ミクロレベルからメゾ・マクロレベルの解析への応用への第1歩として,分子動力学解析の結果をもとに振動および衝突粒子が変形(原子の移動)に及ぼす基本的な影響を統計学的に検討し,モンテカルロ的手法でより大きな単結晶にモデル化を行った.定性的に期待した効果が得られたが,モデルおよびその拡張を含めて詳細を検討していく必要がある.
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