2004 Fiscal Year Annual Research Report
超音波塑性加工およびその類似加工法に関する微視的研究と難加工材への応用
Project/Area Number |
14750586
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯塚 高志 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60335312)
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Keywords | 塑性加工 / 塑性変形 / 超音波加工 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
超音波塑性変形のミクロ的およびマクロ的観点からのメカニズムの解明と通電・光照射塑性変形の基本的性質の確認のための基礎的研究を行い,難加工材の加工に対する効果を検討することを目的として以下の研究を行う. (1)超音波および通電・光照射効果の原子レベルの解析 超音波(弾性波),電流(電子の流れ)および光(吸収エネルギー)が原子運動に与える影響を調査するためにモンテカルロ法と分子動力学法を用いて古典的なモデル化をおこなった.モデルを用いた解析から定性的に変形抵抗が減少することが確認できた.今後時間の取り扱い等をさらに工夫する必要がある. (2)超音波および電流・光の塑性変形特性への影響の調査 板状の軟質アルミニウムに対して,加振板によってせん断方向に超音波振動を付加した状態で圧縮試験を行った.振動とそれに伴う加熱によって試験片は振動板にそって大きな塑性流動を示した.流動方向を限定した場合,限定された方向に良好に流れることが確認できた.電流と光に関しては局部的な加熱方法としては有効であったが,現在のところそれ以上の効果は見られていない.付加量の大きさなどを検討することによってさらに詳細に実験する必要があると考えられる. (3)難加工材の加工に対する効果の検討 難加工材の一つであるアルミニウム合金板に対して,加振板によってせん断方向に超音波振動を付加した状態で圧縮試験を行った.材料は軟質アルミニウムの場合と同様に加振板にそって大きな塑性流動を示した.振動付加とそれに伴う加熱によって圧縮成形に必要な荷重は著しく減少した.また,材料を大きく流す必要のある方向に振動を加えることによって,その方向への材料流動を促進できることがわかった.以上の結果から超音波振動付加による難加工材の鍛造性の向上が確認できた.
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