2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14750599
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陶 究 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60333845)
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Keywords | 超臨海水 / 電位差測定 / pH / 腐食 / 酸化還元 / 金属 |
Research Abstract |
超臨界水中での新規金属・金属酸化物微粒子合成技術の確立や本環境における高耐食性合金の野発の上で不可欠となるイオン反応、酸化還元平衡を定量的に評価するため、超臨界領域において水溶液の電位差測定を行いつつ金属の酸化還元電位を測定する装置の開発を目的とする。本年度は以下の2点について研究を行った 1)短時間でかつ高精度な電位差測定を行うための装置改良 従来、超臨界水環境での電位差測定に用いられてきた流通式装置を改良した。参照-指示電極(ともに白金水素電極)間距離を短縮することで、測定電位に多大な寄与を与えた流動電位(電極間距離の関数)の影響を除去した。また、電極の接近による各電極周囲の濃度変動を抑制するため、改良型オリフィスを導入した。更に、セル内での温度分布を解析し、電極の設置位置を含め、正確な測定温度の決定を可能とした。溶液には文献値の豊冨なHCl+NaCl系を適用し両極間の水素イオン活量差の算出値をもとにし測定電位差を評価した。その結果、392.9℃、29.8MPaにおいても、測定温度、圧力、電位変動をそれぞれ±0.1℃、±0.1MPa、±0.4mV以内に制御でき、かつ理論値と比較して最大2.8mV以内での電位差の評価が可能な装置を作製した。 2)金属試験片の腐食実験と解析 金属の酸化還元電位測定を行う上で不可欠となる金属(Fe, Ni. Cr)の酸化および腐食挙動についてTi合金製回分式装置を用いて実験を行った、条件は400℃、圧力は25,30,40MPa、塩酸および酸素共存下である。実験後に試験片表面に生成していた酸化物被膜の溶解度を算出し、試験片の重量減少量と比較したところ、その圧力依存性、金属種依存性について良好な相関が得られた。本知見は、本年度作製した流通式装置を用いた電位差測定を進める上で、最適な金属の酸化還元電位測定条件決定のために、極めて重要と考える。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Sue, M.Uchida, T.Usami, T.Adschiri, K.Arai: "Apparatus for direct pH measurement of supercritical aqueous solutions"The Journal of Supercritical Fluids. (accepted). (2003)
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[Publications] K.Sue, K.Murata, Y.Matsuura, M.Tsukagoshi, T.Adschiri, K.Arai: "Flow-through electrochemical cell for pH measurement of organic acid aqueous solutions at subcritical and supercritical conditions"Fluid Phase Equilibria. 194-197. 1097-1106 (2002)