2002 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャネル中微小界面の流体解析と新しい微小化学操作への応用
Project/Area Number |
14750600
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
火原 彰秀 東京大学, 工学部附属総合試験所, 助手 (30312995)
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Keywords | マイクロ多相流 / マイクロチップ / 流体解析 / PIV / マイクロチャネル / 準弾性レーザー散乱法 / 向流 |
Research Abstract |
化学装置を数cm角の基板上に集積化する研究が、近年急速な勢いで進展している。この集積化の技術は、一般的な化学操作の自動化・効率化に寄与すると考えられる。微小流体の研究として、2相以上の相合流・相分離を利用したキレート溶媒抽出・相間移動反応などを現在までに実現した。本研究では、微小流体は通常スケールとは異なる境界条件が必要であるという観点からマイクロチャネル内の微小流体を解析し、自由に設計・制御する方法を開発することを目的とする。 まず、上面を親水性、下面を疎水性とする表面修飾パターンニング法により幅300μm深さ200μm全長20mmのマイクロチャネル内の安定多相流を実現した。このチャネルにより、広範囲で流量比を制御可能な平行油水2相流の実験が可能となった。このチャネルを用いて、これまでに報告例のない、水と油が逆方向に流れる向流システムも実現した。向流システムは、マイクロ化学プロセスにおける高効率抽出システムに応用が期待できる。このマイクロ2相流の流れを解析するために、粒子による流線追跡法を適用した。水相中の可視化には成功したが、油相用のプローブ粒子が比重や分散性の問題から油相側可視化にはまだ成功していない。今後最適なプローブ粒子を選定し、油水両相の同時可視化を実現する。 また、このマイクロ2相流の液液界面を通した物質輸送過程を解析するために顕微準弾性レーザー散乱法(μQELS法)を開発した。この方法は、液液界面における界面張力波による光散乱を計測する手法であり、界面における吸着分子濃度などが解析できる。この方法により、界面活性剤の界面吸着現象や金属キレートの溶媒抽出過程などを計測した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Akihide Hibara, Masaki Nonaka, Hideaki Hisamoto, Kenji Uchiyama, Yoshikuni Kikutani, Manabu Tokeshi, Takehiko Kitamori: "Stabilization of Liquid Interface and Control of Two-Phase Confluence and Separation in Glass Microchips by Utilizing Octadecylsilane Modification of Microchannels"Analytical Chemistry. 74・7. 1724-1728 (2002)
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[Publications] Akihide Hibara, Takumi Saito, Haeng-Boo Kim, Manabu Tokeshi, Takeshi Ooi, Masayuki Nakao, Takehiko Kitamori: "Nanochannels on a Fused-Silica Microchip and Liquid Properties Investigation by Time-Resolved Fluorescence Measurements"Analytical Chemistry. 74・24. 6170-6176 (2002)