2002 Fiscal Year Annual Research Report
プラント運転支援のための人間・プロセスハイブリッドモニタリングシステムの開発
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14750605
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
黒岡 武俊 富山大学, 工学部, 助教授 (90273846)
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Keywords | 運転支援システム / 生理信号 / 思考状態 / プロセスモニタリング / プラント運転 / ヒューマンインタフェース / ヒューマンファクター / 人間・機械系 |
Research Abstract |
従来のプラント運転支援システムは、プラント側の状態をもとに動作するものが主であった。これに対して本研究では、プラント運転を人と制御装置とプロセスの3つの要素からなる複合システムとしてとらえ、プロセス側と人間側からの二つの状態モニタリングを融合させた運転支援システムの開発を目指す。本年度は、複数の生理信号を併用して人間の論理思考状態を推定する方法を検討した。生理信号として、被験者に対する測定負荷や制約が比較的少ない、心電活動、瞬目活動、呼吸活動を用いた。はじめに、数学問題解答時における被験者の3種類の生理信号を測定した。論理思考状態の基本モードを「自信」のある状態(モードA)、「推測」の状態(モードB)、「混乱」の状態(モードC)と定義したとき、それぞれの生理信号が、各モードに対応した特徴を持つことが確認できた。さらに、各生理信号それぞれを単独で用いる思考状態推定モデルと、これら3種類の生理信号を併用するモデルを構築した。特に後者のモデルとして、3種類の生理信号を有効に活用するためのカスケード型モデルを提案した。各モデルの推定精度の検証実験を行って比較した結果、カスケード型モデルが、正認識率と誤認識率のいずれの面からみても、優れた推定結果を示すことが分かった。また、単一の生理信号から思考状態を推定する方法では、実験施行日における推定精度のばらつきが大きいのに対して、カスケード型モデルの推定結果は、実験施行日によらず、安定して高い精度を示すことが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 星 一平 他: "多種生理信号を用いた論理的思考状態の推定"ヒューマンインタフェースシンポジウム2002論文集. 1224 (2002)
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[Publications] 黒岡武俊 他: "緊急時対応訓練における思考状態の推定"化学工学会 第35回秋季大会 研究発表講演要旨集. T321 (2002)
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[Publications] Taketoshi Kurooka, et al.: "Thinking State Monitoring with Plural Physiological Signals"Proceedings of IEEE International Conference on Systems, Man, and Cybernetics (SMC'02). WP1N4 (2002)