2002 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ分子集合組織を利用した非水系膜型バイオリアクターの開発
Project/Area Number |
14750607
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小野 努 九州大学, 工学研究院, 助手 (30304752)
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Keywords | 逆ミセル / リフォールディング / 限外ろ過 / 膜型バイオリアクター / マイクロエマルション / 非水系 / 酵素反応 / 連続式 |
Research Abstract |
ナノ分子集合組織である逆ミセル溶液を限外る過膜に適用した新規のタンパク質リフォールディングプロセスの構築を目的として、高タンパク質濃度条件下におけるリボヌクレアーゼA(RNase A)の高効率リフォールディング手法について反応,工学的に検討を行ってきた。本年度に得られた研究成果を以下にまとめる。 再生セルロース膜で逆ミセル溶液を仕切ると、膜内相-膜外相間で逆ミセル内の溶質が限外ろ過膜の分子ふるい効果によって選択的に移動することが確認された。具体的には分子分画量3,500の再生セルロース膜を用いると、分子量が大きなタンパク質は膜透過せず膜内相に留まり、尿素(変性剤)やグルタチオン(酸化還元試薬)といった低分子化合物は膜を透過し膜外相へと拡散することが明らかとなった。 上記のような研究結果を基に、膜内相に高濃度の尿素で可溶化した変性タンパク質逆ミセル溶液を置き、膜外相にはタンパク質リフォールディングに必要な酸化還元試薬を可溶化した逆ミセル溶液とすることで、濃度勾配による変性剤の希釈と酸化還元試薬の供給を同時に行うことにより16時間で約2mg/mLのRNase Aをリフォールディングすることに成功した。 また、通常の透析操作よりもリフォールディングを迅速に行うため、閉鎖循環型リフォールディング装置を作製し、総括の膜透過係数をモデル式より求めて検討した。その結果、膜透過係数の増大とリフォールディング速度の向上が達成されたとともに、リフォールディング効率を上げるためには凝集を伴わない迅速な変性剤の除去が重要であることが示唆された。そこで、更なる高効率化を目指して中空糸膜モジュールを用いてリフォールディングを行ったところ、大幅な変性剤除去効率の向上が見られた。 本研究成果により、微生物からの有用物質生産におけるインクルージョンボディからの再生技術確立のうえで重要な知見を得ることができた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] T.Ono: "Protein refolding by reversed micelles using ultrafiltration technique"Proceedings of 9th APCChe Congress and CHEMECA 2002. (CD-ROM). 154 (2002)
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[Publications] T.Ono: "An ultrafiltration membrane reactor for the protein refolding in reversed micelles"Proceedings of YABEC 2002 Symposium. 94-94 (2002)