強誘電性液晶素子を利用した電場応答型機能能性マイクロカプセルの創製

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14750609
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 吉田 昌弘 鹿児島大学, 工学部, 助手 (50315397)
• Keywords: 強誘電性 / マイクロカプセル / 電場応答性 / 液晶高分子 / 外部応答性 / 相転移 / メソゲン基 / ミクロスフェア

Research Abstract

本年度は、第1の目的を達成するために計算機化学的手法を利用した強誘電性液晶モノマーの最適設計と合成の効率化を行った。機能性マイクロカプセル調製において、マイクロカプセルの外殻物質の一部を構成する機能性素子(液晶モノマー)が重要な役割を果たすことは言うまでもない。従って、電場に応答するのに最適な強誘電性を有する液晶素子の設計・合成が最重要課題である。ここで合成するモノマーに要求される分子構造上の必要条件とは、電場に極めて鋭敏に応答し、相転移するようなメソゲン基(芳香環をエステル結合でつないだもの)を取り入れることである。さらに、モノマー末端に不斉を導入することにより、外部刺激(電場)に対して鋭敏な応答が可能となる。通常液晶の合成は多段階であることが知られているが、本年度では、合成手法の高効率化(3ステップ合成、高収率)を目指した。強誘電性を有する液晶素子の設計・合成に際しては、積極的に分子軌道法(MO法)を取り入れ、効果的かつ最適な液晶素子の開発に役立てることが可能となる。強誘電性素子の最適設計・高効率合成を行い、強誘電性の液晶モノマーそのもの電場応答の基礎物性(分子配向性等)やスチレン等のモノマーと共重合させた場合の高分子マトリクスにおける液晶分子の自己組織化が電場によりどのような挙動を示すのかも併せて把握した。

Research Products

• [Publications] M.Yoshida, T.Matsui, Y.Uemura, Y.Hatate: "Electro-Signal Receptive Microcapsule Utilizing Ferroelectric Liquid Crystal"Proceedings of 2002 Taiwan/Korea/Japan Chemical Engineering Conference. 033 (2002)
• [Publications] M.Yoshida, T.Mori, T.matsui, Y.Uemura, Y.Hatate: "Electro-sensitive microcapsule Immobilized ferroelectric Liquid crystal"Journal of Chemical Engineering Japan. 35・4. 398-400 (2002)
• [Publications] M.Yoshida, Y.Uemura, Y.Hatate: "Preparation of Liquid Crystalline Microsphere with Electro-optical and Thermo Responses"Proceedings of The 6th World Congress of Chemical Engineering. 1696 (2001)
• [Publications] 森武史, 吉田昌弘, 上村芳三, 幡手泰雄: "強誘電性液晶能を有する機能性高分子マイクロカプセルの開発"鹿児島大学工学部研究報告. 43. 95-98 (2001)
• [Publications] M.Yoshida, X.Fan, H.Yoshizawa, T.Itahara, Y.Kawano, Y.Uemura, Y.Hatate: "Preparation of microspheres with liquid crystal responses"Chemical Engineering Communications. 185. 183-199 (2001)
• [Publications] M.Yoshida, X.Fan, Y.Uemura, Y.Hatate: "Electrooptical-responsive microsphere with ferroelectric liquid crystalline segments"Journal of Applied Polymer Science. 81. 2490-2499 (2001)