2002 Fiscal Year Annual Research Report
電気効果を利用した菌体内有用物質の選択的放出分離回収システムの開発
Project/Area Number |
14750615
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
須加 実 富山大学, 工学部, 助手 (10262502)
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Keywords | 電気効果 / 酵母菌 / 電気泳動 / 蛋白質放出 / 生物プロセス / 細胞破砕 / バイオグリーンテクノロジー / 高電圧パルス |
Research Abstract |
本研究は,電気効果を生物プロセスの技術に応用発展させ,効率的に菌体からバイオ有用物質を生産するシステムを開発することを目的とする. 1.高電圧放電パルス印加による細胞破砕装置を製作 既に遺伝子導入実験に使用している自製のコンデンサー充放電による直流高電圧パルス発生装置を改良し,広範囲のパルス条件を試行できる装置を製作した.この装置を用い,酵素が失活し易い従来の機械的な細胞破砕工程に変わり,直流高電圧パルスによる細胞膜破壊を利用した電気破砕放出によって,酵素活性が高い状態で酵母菌体内タンパク質を放出させることが可能となった. 2.高電圧パルス印加条件による菌体内からの選択的なタンパク質放出 上述の製作した装置を用い,細胞に局在するタンパク質を指標として設定し,パルス印加によって放出されたタンパク質の定量と,その活性・比活性を測定した.これにより放電パルス印加条件によってタンパク質放出率が変化することを明らかにした.また菌体内に局在する酵素の活性を測定することで,選択的なタンパク質放出の可能性を見出した.菌体内の選択的放出によって,従来の機械的破砕法と比べると約2倍の比活性が得られた.これによって以降の分離精製が容易となる利点がある. 3.菌体とタンパク質を電気泳動により分離する装置を設計製作 従来の固液分離,濃縮,粗精製などの煩雑な工程を減らすため,上述の細胞膜透過性の向上した菌体を用い,電気泳動によって菌体内からタンパク質を直接分離するための装置を設計製作した.
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Research Products
(1 results)