2002 Fiscal Year Annual Research Report
廃水中のアンモニアと硝酸の同時除去のための新規固体触媒の開発
Project/Area Number |
14750621
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉永 裕介 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助手 (60322848)
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Keywords | 硝酸還元 / Pd-Cu合金 / ラネー触媒 |
Research Abstract |
Pd-Cu/ACの活性、選択性の最適化のために、Pd、Cuの担持量依存性の検討を行った。反応速度と窒素選択率から、Pd5wt%、Cu0.6wt%を最適担持量と決定した。硝酸イオン濃度、水素分圧に対する反応次数を調べた結果、それぞれ0.3次と0.1次であった。また、選択性では、硝酸イオン濃度が低くなると窒素選択性が低下したが、低水素圧にすると窒素選択性は向上した。これらのことから、この触媒は低濃度の硝酸イオンを低圧水素で効率よく還元無害化できることが分かった。 しかし、この触媒は、SV(空間速度)が100h^<-1>であり、現行の生物処理法の10倍程度の活性を示す優れた材料であるが、貴金属のPdを用いていることや、昨今の大量の汚染地下水の処理には活性が不十分である。そこで安価な卑金属をベースとする触媒の探索をつづいて行った。Ni、Cu、Fe、CoとAlの合金を水酸化ナトリウム溶液処理し、アルミニウムを溶解して高表面積化した超微粒子を用いて硝酸還元反応を行ったところ、Niが活性を示すことがわかった。しかし、Ni微粒子単独では、定常活性は低く、SV=240h^<-1>ででは20%の定常転化率にとどまった。そこで、活性の向上を目指して表面合金化を検討した結果、ごくわずかなZrやInの添加(1wt%)で活性が向上することを見出した。これらはSV=240h^<-1>ででほぼ100%の転化率を与えた。さらにごくわずかなPt(1wt%)との表面合金をつくると、SV=800h^<-1>でで90%以上の転化率を与えることが分かった。
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