2003 Fiscal Year Annual Research Report
光触媒能を有する機能性オゾン分解触媒の開発と有害汚染物質の新規処理プロセスの構築
Project/Area Number |
14750622
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
関口 和彦 埼玉大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (50312921)
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Keywords | 粒子相 / 光触媒 / 二酸化チタン(TiO_2) / 有機ガス状汚染物質 / オゾン / 除去率 / 粒子-ガス転換 / オゾン分解触媒(ODC) |
Research Abstract |
実施した研究概要 本年度は、光触媒反応を粒子相中汚染物質に応用することを検討するため、TiO_2塗布フィルター上に添着させたPAH成分を含むモデル粒子に対して短波長紫外光およびオゾンを利用し、各種条件下でのPAHの除去傾向について検討を行った。また、その結果をもとに、粒子相汚染物質の粒子-ガス転換処理の可能性について、反応器形状も含め言及した。 得られた成果 活性炭をすすに見立て、その粒子相上にPAH成分としてピレンを吸着させたモデル粒子をTiO_2塗布フィルター上に添着し、粒子相PAHの除去に与える紫外線波長、オゾン濃度の影響を調査した。実験には、基礎調査としてバッチ系反応器(体積は約6L、反応器上部にペン型UVランプを挿入できる構造)を用い、ランプは主波長365nmのBLBランプ、主波長254nmの殺菌ランプ、185nmを含む高圧水銀ランプの3種を用いた。オゾン濃度は、高濃度(60ppm)と低濃度(0.6ppm)の2条件で行った。 1)波長の影響:185nmでは、オゾンが発生しているため単純な波長効果とは言えないが、短波長になればなるほど、除去率が向上する結果となった。 2)オゾンの効果:本実験系では、オゾン濃度による除去率の著しい変化は確認できなかったが、短波長光の単独照射よりも、オゾンの単独曝露の方が高い除去率を示し、粒子相PAHの処理にオゾンが大きく関与していることが確認された。 その一方で、反応器後段においてガス状分解生成物が確認されたこと、また、TiO_2塗布フィルターによるさらなる除去率の向上が確認できなかったことから、フィルター上で粒子相汚染物質をガス化、さらに同時に完全分解することは、反応時間的にも困難であることが推察された。しかし、短波長光およびオゾンを用いることで、効率的に分解、および粒子-ガス転換(分解生成物として)が引き起こされたことから、昨年度までの研究成果と組み合わせることで、後段でTiO_2/ODC触媒によりオゾン処理と分解生成物の完全処理といった実験系の構築は十分可能であると考えられる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sekiguchi K., et al.: "Degradation of Toluene with an Ozone-Decomposition Catalyst in the Presence of Ozone, and the Combined Effect of TiO_2 Addition"Catalysis Communications. 4・5. 247-252 (2003)
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[Publications] 利根川義男, 関口和彦 他: "廃発泡スチロールとセメントを用いた吸音材上に固定した酸化チタン光触媒によるNO_x除去"大気環境学会誌. 38・4. 227-235 (2003)
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[Publications] 関口和彦 他: "光触媒を用いた粒子相中有機汚染物質の分解に関する基礎的検討"第21回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会予稿集. 110-111 (2003)
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[Publications] Jeong J.Y., Sekiguchi K., et al.: "Photochemical and Photocatalytic Degradation of VOCs by Short-Wavelength UV Irradiation with TiO_2 Catalyst"Abstracts of the 8th International Conference on TiO_2 Photocatalysis : Fundamental & Applications (TiO_2-8). 145-146 (2003)
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[Publications] Sekiguchi K., et al.: "Photocatalytic and Sonolytic Degradation of Toluene in FC/Water Solvent and Application to a New Air Purification Technique"Abstracts of the 8th International Conference on TiO_2 Photocatalysis : Fundamental & Applications (TiO_2-8). 157-158 (2003)