2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化による超分子デンドリマー金属錯体の高機能触媒化
Project/Area Number |
14750626
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水垣 共雄 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (50314406)
|
Keywords | ポリアミンデンドリマー / ナノリアクター / パラジウム / 水素化反応 / 超分子 / ナノ粒子 / ワッカー酸化反応 / アリル位置換反応 |
Research Abstract |
樹木状多分岐高分子であるデンドリマーの外表面および内部骨格を利用し、金属活性種の取込みを行い、新規なデンドリマー触媒の調製とその特異な触媒作用の検討を行った。 1.デンドリマー骨格を利用した遷移金属錯体の選択的固定化法の開発 三級アミノ基を骨格内の分岐点にもつポリアミンデンドリマーを合成し、パラジウムイオンとアミノ基との錯作形成を利用して、パラジウム-デンドリマー複合体を調製した。さらに、本パラジウム含有デンドリマーをKBH_4を用いて還元し、デンドリマー内部のナノ空間でパラジウム超微粒子を調製した。第五世代のデンドリマーを用いることで、非常に安定なパラジウム超微粒子が得られる。パラジウム超微粒子内包デンドリマーを用いて、オレフィン類の水素化反応を行ったところ、デンドリマーの世代数増加に伴い水素化速度は減少し、また、各世代のデンドリマー触媒において、基質サイズが小さいほど水素化速度は増大した。さらに、分子内に極性官能基を有する基質では、デンドリマー内部アミノ基との水素結合による取込みがみられ、基質選択的な水素化反応が進行することを見出し、デンドリマーがナノリアクターとして作用することを論文にまとめて報告した。 パラジウム超微粒子とさらに銅イオンを内包したデンドリマーの調製とワッカー酸化反応への応用したところ、極めて少ない量の銅の添加で反応が効率良く進行することを見出した。 2.デンドリマー外表面を利用した固定化錯体触媒の反応性制御法の開発 ポリアミンデンドリマーとカルボキシル基をもつジフェニルホスフィノ安息香酸(DPPBA)との自己集合により、新規な表面固定化錯体触媒の開発を検討している。ポリアミンデンドリマーとDPPBA、パラジウム二価錯体を溶媒中で撹拌するだけで、アリル位置換反応に高活性を示す新規なデンドリマー固定化触媒が容易に得られる。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Masahiko Ooe: "Dendritic Nanoreactors Encapsulating Pd Particles for Substrate-Specific Hydrogenation of Olefins"Nano Letters. 2(9). 999-1002 (2002)
-
[Publications] Tomoo Mizugaki: "Novel catalysis of dendrimer-bound Pd(0) complexes : sterically steered allylic amination and the first application for a thermomorphic system"Chemical Communications. 1. 52-53 (2002)
-
[Publications] Kwang-Min Choi: "Nanoscale Palladium Cluster Immobilized on a TiO_2 Surface as an Efficient Catalyst for Liquid-phase Wacker Oxidation of Higher Terminal Olefins"Chemistry Letters. 23(2). 180-181 (2003)
-
[Publications] Kohsuke Mori: "Efficient heterogeneous oxidation of organosilanes to silanols catalysed by a hydroxyapatite-bound Ru complex in the presence of water and molecular oxygen"New Journal of Chemistry. 26(11). 1536-1538 (2002)