2003 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ光導波路吸光検出システムの構築に関する研究
Project/Area Number |
14750644
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
梅村 知也 群馬大学, 工学部, 助手 (10312901)
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Keywords | 光導波路 / エバネッセント波 / シースフロー / センサー / 吸光検出 / マイクロチップ / ポリマー / ポルフィリン |
Research Abstract |
ガラスチップ表面や微少の流路内で高感度な計測を実現するための光学系の構築、ならびに物質選択性の付与と目的成分の濃集を目的としたセンシング表面の化学修飾に関する基礎研究を行った。 1.二相シースフロー液-液光導波路の構築とその液-液界面計測への応用 二重細管を用いたシースフロー技術を応用して、安定な二相流を形成させる(液-液界面を形成させる)とともに、内側を流れる高屈折率溶媒中にレーザー光を導波させ閉じ込めることにより、液-液での光導波路を実現した。この二相シースフロー液-液光導波路分光測定装置により様々な溶媒間で形成される液-液界面に存在する分子の挙動を直接的かつ経時的に観測することが可能となった。 2.ポルフィンをセンシング素子とするSOWG化学センサーの開発 オレフィン基を2つもつProtoporphyrin IX (PPIX)と呼ばれるポルフィンをアクリルアミドとともにSOWG表面で重合・成形し、厚さ1μm程度の薄膜を作製した。PPIXは強酸性領域(pH 0〜1)でプロトンに鋭敏に反応することから、今後、pHセンサーとしての応用が期待される。 3.ITO電極SOWG分光測定装置および偏光スペクトル測定システムの開発 電極表面で起こる化学反応や物質移動に関する情報の収集を目指し、電気化学測定と分光測定を同時に行えるITO電極SOWG分光測定装置を試作した。また、検出素子表面に目的成分を電気化学的に濃集する、あるいはその反対に表面から溶離する方法を検討し、ヨウ素の定量的な吸脱着を通してその可能性を示した。一方、偏光スペクトル測走装置を開発し、シリル化剤で修飾したガラス表面への色素分子の吸着挙動(配向状態や吸着量)を観察した。その結果、HPLCで多用されるシリカ系充填剤表面での分子の挙動に関する基礎情報が得られた。
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[Publications] K.Tsunoda, T.Umemura, H.Ueno, E.Okuno, H.Akaiwa: "Adsorption of Methylene Blue onto Silylated Silica Surfaces, studied using Visible Attenuated Total Reflection Spectroscopy with a Slab Optical Waveguide"Appl.Spectrosc.. 57. 1273-1277 (2003)
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[Publications] H.Takiguchi, T.Odake, M.Ozaki, T.Umemura, K.Tsunoda: "A Liquid/Liquid Optical Waveguides Using Sheath Flow as a New Tool for Liquid/Liquid Interfacial Measurements"Appl.Spectrosc.. 57. 1039-1041 (2003)
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[Publications] 角田欣一, 梅村知也, 渡邊貴史, 滝口裕実, 浅野 比, 板橋英之, 石橋耀一, 佐藤 栄: "低屈折率高分子製光ファイバー型キャピラリーセルの特性とその鉄鋼試料中硫黄の吸光光度定量への応用"鉄と鋼. 89. 979-981 (2003)
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[Publications] T.Umemura, Y.Usami, S.Aizawa, K.Tsunoda, K.Satake: "Seasonal Change in the Level and the Chemical Forms of Aluminum in Soil Solution under a Japanese Cedar Forest"Environ.Sci.Techno.. 317. 149-157 (2003)
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[Publications] E.Yoshimura, M.Akashi, T.Umemura, K.Tsunoda: "Identification of Al(III) Species in a Solution Containing Equimolar Concentrations of Al(III) and Citric Acid Using Varying-Temperature 27Al NMR Spectrometry"Anal.Sci.. 20. 373-374 (2003)