2003 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙塵マントル層における星間分子常磁性種のESRその場観測
Project/Area Number |
14750657
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
駒口 健治 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80291483)
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Keywords | 化学進化 / 低温固相化学反応 / 量子力学的トンネル効果 / in-situ ESR / 水素原子付加反応 / 水素原子引き抜き反応 |
Research Abstract |
本年度は、希ガス吹き付け装置の性能評価試験と実験条件のファインチューニングを行う目的で、IR法で詳細に調べられているアセチレン系の水素原子付加反応についてin-situ ESR測定を行った。4Kで、Ar希釈した水素およびアセチレンガスを、5Kに冷却したコールドロッドに流速1.5std.cm^3/minで5分間ずつ交互に繰り返し40分間蒸着させた。この試料において、信号強度は弱いがビニルラジカルに特徴的なスペクトル線形(7mT(1H),3.7mT(1H),1.6mT(1H))を観測できた。IR研究では、アセチレンへの水素原子付加で生成するビニルラジカルは、その反応性が高いために定常状態では検出できないと報告されている。しかしながら、今回、ESR法を用いると、常磁性中間種であるビニルラジカルを直接観測することができた。 また、昨年度行ったシリル基からの水素原子トンネル引き抜き反応の発展として、炭素・ケイ素と同じIVB属元素のゲルマニウムをエタンに1つ導入したメチルゲルマン(CH_3GeH_3)を取り上げた。CH_3GeH_3とH原子およびCH_3ラジカルとの反応性についてESR法を用いて調べた。いずれの場合も、4K-77Kの低温固相中において、ゲルミル基水素が引抜かれたメチルシリルラジカル(CH_3SiH_2)が高選択的に生成することをESR法で観測した。77KにおけるCH_3ラジカルによる水素原子引抜きの反応速度(k_<Si-D>)は6x10^<-3>s^<-1>であり、(k_<(Ge-D)>/k_<(Si-D)>=870),20K以上の温度領域の見かけの活性化エネルギーとして、E_<a(Ge-D)>=4.1kJmol^<-1>を評価できた(E_<a(Si-D)>/E_<a(Ge-D)>【approximately equal】2)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Komaguchi et al.: "An ESR study of dynamic biradicals of two TEMPOs bridged with -(SiMe_2)_n-(n=1-4) in liquid solution"Chem.Phys.Lett.. (in press). (2004)
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[Publications] T.Iida, et al.: "Spin-spin interaction between phenoxyl radicals through σ-π system"J.Organomet.Chem.. 688. 192-199 (2003)
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[Publications] M.Shiotani et al.: ""Chap.4 : Quantum effects in deuterium labelled radicals at low temperature", in EPR of Free Radicals in Solids ed.A.Lund and M.Shiotani"Kluwer academic publishers (Netherlands). 153-195 (2003)