2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高密度グラフト膜を有する金ナノ粒子を用いたナノ構造機能性材料の精密設計
Project/Area Number |
14750695
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大野 工司 京都大学, 化学研究所, 助手 (00335217)
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Keywords | 表面グラフト / ポリマーブラシ / 金ナノ粒子 / リビングラジカル重合 / 複合材料 / 秩序構造 |
Research Abstract |
リビングラジカル重合法(LRP法)の開始基およびジスルフィドを有する化合物を合成し、それとクロロ金酸(HAuCl_4)を還元剤(NaBH_4)存在下で混合することにより平均粒径2.7nmの金ナノ粒子を調製した。この金ナノ粒子を用い、メタクリル酸メチルの表面開始LRPを行った結果、グラフトポリマーの数平均分子量(M_n)と、遊離開始剤から同時に生成するフリーポリマーのM_nはほぼ等しく、また重合率の増加に伴いM_nは大きくなった。分子量分布指数(M_w/M_n)は1.3以下であり、比較的小さな値を示した。グラフト量を求めるために、高分子・金ナノ粒子複合体の元素分析を行った。その分析値と、金ナノ粒子の比重及び表面積、またグラフトポリマーのM_nから、グラフト密度を算出した。グラフト密度は重合時間に依らず、約0.3chains/nm^2であった。これらの結果から、重合は規制されて進行し、構造の明確な(鎖長および鎖長分布の制御された)高分子が金ナノ粒子表面へ高密度にグラフトされたことが判明した。この方法を、親水性モノマーの重合およびブロック共重合体のグラフトに応用し、幅広い高分子設計を金ナノ粒子表面で行う技術を確立した。得られた高分子・金ナノ粒子複合体のキャスト膜において、金ナノ粒子が凝集することなく膜中に分散し、粒子間隔は、グラフト高分子の分子量の増加に伴い広くなることを明らかにした。 NaBH_4を用いた金ナノ粒子の作成法においては、粒径分布の狭い粒子を合成することができなかった。そこで、還元剤としてクエン酸Naを用いることにより、平均粒径12nmの単分散金ナノ粒子の合成を行った。得られた金ナノ粒子を用い、同様に重合を行った結果、構造の明確な高分子をグラフトすることに成功した。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Ohno, K.Koh, Y.Tsujii, T.Fukuda: "Synthesis of Gold Nanoparticles Coated with Well-Defined, High-Density Polymer Brushes by Surface-Initiated Living Radical Polymerization"Macromolecules. Vol.35,No.24. 8989-8993 (2002)