2003 Fiscal Year Annual Research Report
配糖錯体を生体類似機能素子とする新規機能性ポリマーの開発
Project/Area Number |
14750698
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
小幡 誠 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (70343267)
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Keywords | 配糖錯体 / レニウム / ポリマー |
Research Abstract |
平成15年度は平成14年度に引き続き、重合時に安定で、なおかつ水中で機能する新規機能性配等錯体の開発を目的として合成経路の探索を行うともに、糖ポリマーとしてあまり前例のないフェニレンエチニレン骨格の利用をめざして糖鎖を結合させることが可能なモノマーの合成を試みた。 (1)三配座型O-グリコシル錯体の合成の試み 平成14年度に生成が示唆された三配座型O-グリコシル錯体の合成および単離を試みたものの、残念ながら単離には至っていない。 (2)レニウム配糖錯体の合成 新たな配糖錯体の合成としてRe(I)配糖錯体の合成を行なった。合成したRe(I)配糟錯体は、良好な単結晶が得られ、X線構造解析により構造を決定した。の錯体はレニウム金属を有する配糖錯体としては、初めて結晶構造解析に成功した例である。現在、論文を準備中である。 (3)ポリマーへの連結方法の検討1 アミノアルキル基をグリコシド結合させた糖分子と4-クロロメチルスチレンとのカップリングを試みた。この方法により重合性官能基を有する新たな糖モノマーを合成することが出来た。現在、このモノマーを配位子とする銅錯体の合成を試みている。 (4)ポリマーへの連結方法の検討2 糖連結ビニルポリマーの例は非常に多いが、それ以外の形式のポリマーに関してはあまり試みられていない。そこで、主鎖構造が非常にシンプルであるフェニレンエチニレンポリマーの側鎖に糖分子を導入することを試みた。現在グリコシド結合形成が可能であると思われる3-ヒドロキシプロピル基を有するジヨードベンゼン体の合成に成功している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Mikata: "Detection of 1270 nm Emission from Singlet Oxygen and Photocytotoxic Property of Sugar-Pendant [60] Fullerenes"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 13. 3289-3292 (2003)
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[Publications] I.Brudzinska: "Synthesis, Structural Characterization, and Antitumor Activity of Palladium(II) Complexes Containing a Sugar Unit"Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. (in press). (2004)
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[Publications] M.Obata: "Asymmetric Radical Cyclization of (2S,3S)-2,3-Butanediyl, (2S,4S)-2,4-Pentanediyl, and (2S,SS)-2,5-Hexanediyl Bis(4-vinylbenzoate)s as a Model Reaction for Asymmetric Cyclocopolymerization"Journal of Polymer Science, Part A, Chemistry. (in press). (2004)